イバラード物語 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

一家に一冊。全人類に贈りたい。


イバラード物語―ラピュタのある風景/井上 直久




映画『耳をすませば』の作中に登場する「バロンのくれた物語」の世界観を描き広く知られる様になった井上直久さん。彼が美術教師の職の傍ら1982年より描き続けていた異郷“イバラード”。その世界を纏めた素晴らしい書籍。




“イバラード”とは彼が様々なお伽噺やSFから得た叡智をしっかりと受け継ぎ、それを租借し再構築したファンタジー。スィフトのラピュタ学をベースに高度な文明と自然環境が当たり前の様に共存した世界。じっくりと練ってる様にも適当に思いつき言ってる様にも思える各種設定がおかしくも素敵だ。



そして何と言っても画家でもある彼の繊細な線で構成された独創的な絵が美しい。



勿論ここに描かれている世界は只の絵空事で完結してはいない。これは我々がこれから生きていかねばならない荒廃の一途を辿る世界をサヴァイヴする為の、バイブルにもなりえる知恵とアイデアと切なる希望に溢れた書でもあるのだ。



2007年に自ら監督した映像版がジブリよりDVD化されております。