本格的には12月よりって感じではありますが、
晩秋の訪れと共にちらほらと新酒が入荷して参りました。
そして新酒と共にやってきたのがコイツ。

酒林(杉玉とも言います)です。
酒林って何の為のモノか知ってますか?
最近では酒屋さんの飾りみたいな扱いになってますが、
本来(江戸時代の話ね)は、街道を往来する人に
「ココでお酒売ってますよー!」と知らせる
造り酒屋(酒蔵)の「看板」だったのです。
そして同時に酒の熟成をも知る事の出来る代物なんです!
新酒のこの時期の酒林は刈り取られたばかりの
杉で作られるので青々とした緑色。
それが季節の移り変りと共に枯れていき茶色くなります。
この色の変化で酒の熟成の具合を知ることが出来るんですねぇ~。
ですので、からっからに枯れた頃には、ちょうど秋の
ひやおろしが出荷されるといった具合でございます。
そんな酒林、毎年蔵人さんたちの手作りなんですが、
本店に飾るのならば本店スタッフで作っちまおう
という訳でワタクシに白羽の矢が。。。
向かった先は、群馬県川場村「水芭蕉・谷川岳」でお馴染み永井酒造さん。

毎年、酒林の伝統を守る為、実習会を催されております。
当日は60名弱の皆様と一緒に作って来ましたよ~。

作り方はというと
土台となる針金に杉の穂先を重ねて、重ねて、ひたすら重ねて。
空いた隙間には詰めて、詰めて、詰め込んで、まずはこんな感じ。

その後は刈り込み鋏で丸く刈っていくだけ。
と言葉にすれば簡単なんですが・・・。
球体にするのは難しいモンです。
こっちから見たらイイ感じ、
そっちから見たら何か歪んでるし。

更にカッシャ、カッシャと刈り込んで完成!!
我ながら、イイ感じに仕上がったんではないでしょうか。

そして自作の酒林と共に浅草までやってきたコイツ。

水芭蕉 特別本醸造 究極の一番搾り
中汲み袋取り 無濾過生酒
720ml ¥1470 1800ml ¥2625
新酒特有のうすにごりで葡萄のような甘みと
リンゴのようなフレッシュ感、かといって、
フルーティという一言では片付けられない味わいです。
震災の影響で蔵の存続までを真剣に考えた
と永井酒造の専務はおっしゃっておりました。
毎年、新酒の出荷は嬉しいものだが、
今年は酒を作れた幸せで一杯。
喜びもひとしおとの事でした。
永井酒造、渾身の一滴、
キリっと冷やして、お楽しみ下さい。
酒の大桝本店 酒井、渾身の酒林も
見に来て下さいね。お待ちしてま~す。