IT系の最先端上場企業の役員の友人の話を聞きました。
採用する社員は東大や有名私大卒の高学歴の社員もたくさんいるそうです。
しかし、東大卒という学歴だけでは社会に出てからは通用しません。
仕事がうまくできなくて入社してさして経っていないのに退職してしまう若手社員が少なくないのだそうです。
乱暴な言い方をすると、東大卒のような高学歴社員も大別すると二つに分けられる。
勉強ができて優秀だけれども、コミュニケーション能力や協調性に欠ける人物と、学歴を鼻にかけず社会性を備えた総合的に優秀な人物。
小学生の内から成績優秀で中学受験塾に通い、有名私立中高一貫校に入学して、東大のような難関大学に進学。
付き合う仲間も同じような環境で育った人間ばかり、
細かいことを語らなくても、話が通じる仲間とばかり付き合ってきた。
そんな状況で、様々な環境で育ってきた人がいる企業に入って、初めて文化が違う人達と出会う。
環境に適応する柔軟性を備えている人であれば、そこで修正がきくのでしょうが。
勉強ばかりで頭が固くなってしまっていると、周りと話が合わないのでやりにくい、なんてことも起こるのじゃないかと思います。
もちろん、有名中高一貫校出身者がみんなそうだと言っているわけではありません。
地方公立出身者でも、ずっとナンバーワンで通してきたプライドが邪魔をして、人付き合いが下手な人もいます。
羊が言いたいことは、どのようなコースを取ろうが、勉強以外の経験を子どもに積ませたほうがいいということです。
学校とは異なる人の集団、できれば同学年の子ばかりではなく、異年齢や家族以外の大人もいるような環境で過ごすことが大事だと思います。
以前に寺子屋で宿泊の合宿をやっていたことがあります。
家族以外のこんなおじさんと2泊3日過ごすだけで、家に帰って行動が変わったと言われます。
合宿中は、布団の上げ下ろしに始まって、掃除・洗濯・炊事も手伝いではなく、自分の分担としてやらせていました。
家でお母さんお父さんになんでもやってもらっている子どもが、短期間でも自分でやると、保護者の苦労を知ることができます。
そこで、自分の行動を変えて少しでも保護者の楽になるようにと気をつかえるようになるのでしょう。
学校や塾と家の移動だけではない、自分の居場所があれば子どもの社会性は格段に育ちます。
商店主の子どもが社交的なのは、お客さんの出入りが多いからなのですね。
子育ては、子どもが社会に出て一人前にやっていけるようにするものです。
頭の良さを示すIQだけでなく心の知能指数EQの重要性が高まっているので、EQも育てる手助けをしたいです。
例えば、物語を読んで疑似体験をたくさん積んだり、親子の豊かな会話を通して好ましい感情やモラルを育てます。
もちろん、あいさつや感謝と謝罪の言葉がすぐに出るようにしておきたいですね。
「ありがとう」をみんなに言える人は、みんなからも愛されます。
こんな風に育てば、拡大自殺を図るような人にはならないと思います。(羊)