「子どもはマンネリが嫌い」です。
ああ、幼児期は別ですよ。
小さい子は同じ絵本を何度も読んでもらいたがります。
そのようすはまるで心地よい刺激は何度も受けて、強化したいと言っているように思えます。
ところが小学生ともなると、同じ事の繰り返しは飽きていやがるようになります。
羊家の子ども達が小さい頃に、くもんの計算プリントをやっていました。
その先生は1ステップ10枚で最低4回繰り返すという指導をしていたので、できる段階のものも繰り返させられるのをとても嫌がりました。
けれども仕上げたプリントを提出しないと次のプリントをもらえないので、仕方なくやっていました。
しまいにはこらえきれずに教室をやめてしまいました。
またピアノレッスンの話になりますがこんなことがよくありました。
新しい課題曲が始まると片手ずつ弾いて、両手でゆっくりと弾きます。
この段階では頭を使い楽譜と鍵盤に目を配りながら耳で音を聞き、腕と指をコントロールしているわけです。
これを繰り返していくと、脳に回路ができあがってきて意識しないでも指が動くようになります。
難しいいくつかのつまずきポイントを除いては弾けるようになります。
つまずきポイントは部分練習で克服します。
こうして1曲弾けるようになった段階が一番できがよいのです。
本当はこの後引き込んでいかに演奏に表情をつけるかが勝負なのですが。
けれどもこの後でさらに弾き込みすぎると指は良く回るけれどもロボットのような演奏になってしまいます。
考えなくても弾けてしまうからです。
大人は自分でコントロールできるのですが、どうやら多くの子どもはプログラムができあがると、再度考えながら少しずつ変えて弾くというのが苦手です。
たくさんの子どもを観察してきて、これが小学校低学年までの子どもの特質なのではないかと推測しています。
この段階に達するとマンネリ化しているので、子どもにとってはつまらないのですね。
わずかにテンポを変えたり、強弱を変えて美しくなるのはどうでも良いことなのです。
面白くないから。
もちろん中にはそこに興味を持つ子どもがいて、そんな子が教室のトッププレーヤーになります。
この現象はピアノにかぎらず、他の習い事でも勉強でも共通する特質なのだと考えています。
同じ種類の教材や書けるようになった漢字の練習など、変化のないものは子どもの興味を削ぐので、家庭学習としては逆効果です。
どこか目新しかったり面白い要素があると取り組んでくれます。
一時期はやった「うんこドリル」はこのあたりの子どもの特質を上手につかまえた教材だと思います。
普通の算数のプリントの問題でもポケモンやドラえもんのキャラクターを登場させたらいいのにね。
低学年までは、マンネリになる手前でやめることが、なんでも大切ではないのかなと思うのです。(羊)