前回の記事 から随分間が空いてしまいましたが、たまに続きを書いていこうと思います。
中国人のWさんと一緒に暗号ベンチャーの営業社員になりました。
この会社は、社長も含めほぼ全員中国人で技術者の会社。つまり、日本語が堪能で営業ができる人材は私しかいなかったわけで・・・
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技術はあるが、さてどうやって売上を立てていくか?
これが最大の問題だった。
まずは会社と技術(ブランド)認知度を上げるため、プレスリリースを企画した。40名ほどの記者を集めて、技術の発表とPCによるデモンストレーションを行い、新聞や雑誌に取り上げてもらうのだ。
今でこそデモンストレーションを交えた記者発表会は当たり前なのかもしれないが、当時はネットの技術でこういう試み事態が珍しく、また大手ではなくベンチャーが積極的にリリースを行うことも慣例になかった。まだ東証マザーズもはじまる前で、ネット系ベンチャーということ自体が社会認知されていなかった。
サイバーエージェントの藤田さんはまだインテリジェンスでサラリーマンをやっていた頃で、業界ではネットエイジがホスティング事業で急成長し、アスキー系列の関連会社の勢いがあった時代。
この暗号ベンチャーの特徴は、応用技術ではなく基礎技術で勝負しようとした点だった。やはり日本人ではなく中国人の発想なのだろう。
「ベンチャー足るもの、世の中の中枢(コア)テクノロジーとなる基礎部分を押さえてこそ価値がある。」と!
そして社長はすぐに世界戦略にうって出たがった。アメリカの次世代暗号競争にノミネートし、世界標準としての地位を確立してから日本にも逆輸入しよう、という発想だ。
こういう方針に基づく営業戦略を練っていくのだから、そこには当然 「前例はない・・・」
営業担当の私は相当苦労することになる・・・しかしこの苦労がやがて今の自分の血となり肉となっていく。