そんな警告掲示をよく駅でみかける

誰が好き好んで線路なんかに降りるものか

線路に落ちることがあったとしても

線路に降りることはない

と思うのがふつう

都会の駅では確かにそうだろう

都会の駅では線路に降りたいと

よもやそんな衝動にかられることは決してあるまい



ところが単線の場合はとたんにやばくなる

線路がいっぱいあれば線路も寂しくはないだろうきっと

しかし単線はいけない

単線の線路はやはりどこか心なしか寂しそうだ

その気持ちを察してくれる友を求めているような気がする



残念ながら多くの旅人にはその声は届かない

点と点を結ぶ旅にとって線路は単なる鉄の棒の羅列にすぎない



僕には線路の心の声が届く

そしていかにも自然に導かれるように線路に降り立つ

気が付いていると僕は線路のど真ん中に

線路と僕の気持ちが通じ合う瞬間だ

線路に手を添えて

無性にねぎらってあげたくなる

しばし時は止まっている



そんな旅路が大好きだ

それは僕自身が大いに癒されるからかも知れない



さまよう医者の独り言-線路は続くよ