民蔵じいさんは明治生まれの98歳。とても温厚で愛想のいいおじいさんだ。
僕はこの民蔵じいさんさんから、折に触れいろいろ学んでいる。
民蔵じいさんは、ホームでも人気があり
いつもみんなの輪の中心に陣取り、楽しそうに談笑している
先日、いつものように声をかけ、
脈を取り、舌をみて、簡単に聴診する
いつもとなんら変わらない!・・・まだまだ元気だ!
「大丈夫やな」とにこやかに言うと
「・・・・・・・」
いつもの満面の笑みが返ってこない
「どうしたん? 今日は気分わるいんか?」
「ほんまに大丈夫か?どっか悪いとこないんか?」
「ほんま大丈夫やで」
民蔵じいさんは明らかに大丈夫でないことを期待している
ゆっくりと話を聞いてみると
昔一緒に過ごしたツレがいないのがやはり寂しいという
昼間はあまり気にならないが
夜中ふとそういう思いに駆られると寂しくてたまらなくなる
できればそろそろ死にたいが、迎えにこないし、自分で行くにも行き方がわからん
まだまだ学ぶこともあるので、もっと長生きして欲しい
というのは明らかに僕の勝手だろうが・・・
それでももっと長生きして欲しい
という意味のことを正直に言ったら静かに笑っていた