自由が少なくなればなるほど、幸福も少なくなる。

・・・と今も昔も思っているが、そんな理由があって僕は医者をめざした。


僕の親父は公務員だった。意にそまなくても、上司(国家)の命令に従わなければいけない親父の姿に理不尽さを覚えた。同級生の多くが優良大企業への就職をめざしていたが、フジサン太郎の漫画の大ファンだった僕には、会社勤めが幸福につながるとはとうてい思えなかった。


医者は良心のみに拘束される。良心以外の何者にも拘束されない。上司も国も妨げにならない。

・・・と今も昔も考えているが、それは理想であって現実でないことにあとで気付くことになるが・・・。


ともかくも、高校生の僕は、医者になれば自由に仕事ができ、自由に生きることができると錯覚し、医者をめざした。医者は患者さんに向き合い、患者さんのことさえ考えていればいい。そんなすばらしい仕事は他にないと、そんなふうに燃えていたと思う。