Band Name:
Moonmath
Album Title:
The Whisper's Hand
Track List:
01. Don't Breathe
02. Son of Nothing
03. Words to Deliverance
04. Don't Leave Me
05. Eyes In The Wing
06. Look At My Soul
Band Members:
Luiz P. Milani (Male Vocals, Basses)
Júlio P. Rigol (Electric Guitars)
Juliano Augusto (Electric Guitars)
Claércio DeGregori (Drums)
Website:
CD Review:
ブラジル、アレグレート出身、ゴシック・ドゥーム・メタル・バンドであるMoonmathが2017年にリリースした、1stフル・アルバムにあたる『The Whisper's Hand』。
その音楽性は、低音域の不気味さと魅惑さを併せ持つクリーン・ヴォイスと、低音域から中音域にかけてのアグレッシヴなハーシュ・ヴォイスという、その二種類の声色を操る男性ヴォーカルをフロントに迎え、ツイン・エレクトリック・ギター、ベース、ドラムなどといった生楽器を配した、イギリス出身のParadise Lostの中期に直系した、非常にオーソドックスな、オールド・タイプのゴシック・ドゥーム・メタルが、一枚のCDアルバムの全編に渡り展開されています。
Bandcapm上のオフィシャル・ページでは、ポスト・ロックだのストーナー・メタルだのといった音楽ジャンルのタグが付けられていますが、それに騙されてはいけません。
男性ヴォーカリストとして在籍するLuiz P. Milaniによる歌唱力と表現力、演奏陣による重厚な演奏力、楽曲の完成度、その全てにおいて完璧な存在感を放っていて、ブラジルというヘヴィ・メタルの辺境の土地から生み出されたマイナーなバンドだとは、到底思う事が出来ません。
個性は皆無ですが、Paradise Lostのフォロワーという意味では、あくまでも私の知る限りでは、これ程までの完成度を持つバンドに、久しぶりに出会う事が出来ました。
男性ヴォーカリストとして在籍するLuiz P. Milaniは非常に素晴らしい歌声の持ち主で、Paradise Lostに男性ヴォーカリストとして在籍するNick Holmesのアグレッシヴと、スウェーデン出身のTiamatに男性ヴォーカリストとして在籍するJohan Edlundの魅惑さ、その両方を併せ持っています。
初めて聴いた時は、このMoonmathというバンドは、男性ツイン・ヴォーカルという編成なのかと思い込んでしまいました。
単体での楽曲の尺の長さは4分から6分にかけてのものが多く、一枚のCDアルバムをトータルすると全6曲34分と、楽曲の一つ一つが比較的コンパクトに纏められています。
あと一歩、ゴシック・ドゥーム・メタルという音楽ジャンルには、長大な世界観を持つ楽曲を期待してしまうという、贅沢者である私がおりますが、このMoonmathというバンドならではの個性という点においても、これからの成長に期待致します。