Ruined | Dark Music Space

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世界各国の、暗黒耽美の音楽の探求に日々勤しんでおります。

Band Name:

Ruined

 

Discography:

Descent Into Oblivion (2017)

 

Band Members:

Miguel V. (Male Vocals, Electric Guitars)

Cesar S. (Electric Guitars)
Manuel V.  (Basses)
Victor L. (Drums)

Past-Members:
Ignacio P. (Drums)

Website:

メタルの宮殿

YouTube

Band Review:
チリ、プエルトモント出身、エピック・ドゥーム・メタル・バンドであるRuined。

このRuinedというバンドは、2011年に結成され、2017年に1stフル・アルバムにあたる『Descent Into Oblivion』という、現在に至るまでに、一枚のフル・アルバムをリリースされています。

その音楽性は、中音域から高音域にかけてのナイーヴさと力強さという二つの顔を併せ持つクリーンヴォイス、そして時折エキセントリックなシャウトを放つという男性ヴォーカルをフロントに迎え、ツイン・エレクトリック・ギター、ベース、ドラム、恐らくはゲストとして一部の楽曲にフルートなどといった生楽器を配した、非常にシンプルな、王道なエピック・ドゥーム・メタルを提供するバンドのようです。

YouTube上にてアップされた二曲の楽曲を試聴する限りでは、1stフル・アルバムにあたる『Descent Into Oblivion』に収録された「Domains Of Death」は比較的アグレッシヴに進行する、ギター・ソロの華麗なヘヴィ・メタル調の楽曲、「Ruined Reflections」は重厚さ、陰鬱さ、そして美しさを兼ね備えた正にドゥーム・メタルの王道といった楽曲で、中々の振り幅の広いバンドという予感がしております。

 

メタルの宮殿という通信販売ショップにて、運命の出会いを果たしました(笑)。

1stフル・アルバムにあたる『Descent Into Oblivion』の、その宗教画を思わせる美しいアルバム・ジャケットに最初はただ惹かれただけなのですが、YouTubeにて「Domains Of Death」を試聴した時点でノック・アウトされてしまいました。

エピック・ドゥーム・メタルというと、スウェーデン出身のIsole以外のバンドを聴いた事がありませんが、今後の探求の視野に入れる予定としております。

それ程までに完成度の高い二曲だと思いました。

 

若干、埃を被ったかのようなその音質は、良くも悪くも、辺境の土地における妖艶な香りを感じさせます。

あと一歩、ダーク・メタルにはクリアな音質を求めてしまうという贅沢者である私がおりますが、それはチリというヘヴィ・メタルに関しては辺境の土地、マイナーなレーベルからCDアルバムをリリースした、マイナーなバンドの宿命なのかも知れません。

 

また、「Domains Of Death」での終盤で聴く事が出来るフレーズにしても、「Ruined Reflections」での前奏にしても、何処かで聞き覚えがあるというよりも、似たメロディ・ラインを提供するバンドがすぐに分かってしまいました(笑)。

それが意図的なのか、偶然なのかは私には分かりませんが、楽曲さえ自分自身の心に響けば、私の場合はそれで良しとしております。

 

早速、1stフル・アルバムにあたる『Descent Into Oblivion』をオーダー致しました。

特にマイナーなバンドの場合は、BandcampだのYouTubeだのといったインターネット上には自信作のみアップし、それ以外の楽曲は今一つという地雷を踏んでしまう可能性もあるので、過剰な期待はせずに、我が家にCDアルバムが到着される日が来るのを待っております。


6分から10分と、楽曲の一つ一つが比較的長尺に制作されていますが、ドゥーム・メタル界においては比較的普通の尺の長さだと思います。

今後の成長が非常に楽しみなバンドの登場です。