Akelei 『De Zwaarte Van Het Doorstane』 | Dark Music Space

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Band Name:

Akelei

 

Album Title:

De Zwaarte Van Het Doorstane

 

Track List:

01. Verlangen
02. Meer Dan Je Ziet    
03. De Zwaarte
04. Een Droom In 6/8    
05. Duett

Band Members:
Misha Nuis (Male Vocals, Electric Guitars)
Ward Maaswinkel (Male Vocals, Drums)
Pascal Vervest (Electric Guitars)

Website:

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CD Review:
オランダ、ノールトブラバント出身、ゴシック・ドゥーム・メタル・バンドであるAkeleiが2010年にリリースした、1stフル・アルバムにあたる『De Zwaarte Van Het Doorstane』。

現在は、イギリス出身のデス・ドゥーム・メタル・バンドであるEye of Solitudeに男性ドラマーとして在籍するRemco Verhees、オランダ出身のデス・ドゥーム・メタル・バンドであるFaalに男性ギタリストとして在籍するPascal Vervestという二人の男性が新たに加入し、ドゥーム・メタル界における、ちょっとした地味なスーパー・バンドとなっているようです。

その音楽性は、低音域から中音域にかけての淡々としたナイーヴな男性ヴォーカル、中音域から高音域にかけての激情さを感じさせる男性ヴォーカル、その両者による男性ツイン・ヴォーカルをフロントに迎え、
時折導入される透明感の溢れる女性メゾ・ソプラノ・ヴォーカル、ツイン・エレクトリック・ギター、ドラム、恐らくはゲストとして一部の楽曲にキーボードなどといった生楽器を配した、起伏の少ないオールド・タイプのドゥーム調のゴシック・メタルが、一枚のCDアルバムの全編に渡り展開されています。
Bandcamp上でのオフィシャル・ページでは、アトモスフェリック・ドゥーム・メタルを自称されています。

あくまでも私としては、今一つ、楽曲が心に響かないというのが正直な感想だったので、一回聴いただけでスルーしてしまっておりましたが、
本作にあたる『De Zwaarte Van Het Doorstane』を含めたボツとなった何枚かのCDアルバムを聴き直したところ、その印象を覆されたので、改めて評価致します。

男性メイン・ヴォーカリストとして在籍するMisha Nuisによる繊細なクリーン・ヴォイスが影響しているのか、残念な事に、理解する事が容易な、極端に耽美な雰囲気も、極端に陰鬱なメロディ・センスもありません。
ただ、一見すると淡々としているけれど、ドゥーム・メタルとしての重厚さ、ゴシック・メタルとしての物悲しさを実は秘めている事に気が付きました。

正直な感想を申し上げると、地味な存在のバンドではありますが、聴けば聴く程に、更に好きになっていってしまうのかも知れません。

 

あと一歩、ゴシック・メタルには理解する事が容易な陰鬱な音像を求めてしまうという贅沢者である私がおりますが、このAkeleiというバンド自身はアトモスフェリック・ドゥーム・メタルを自称されているので、求める音楽ジャンルが違うのかも知れません。

微妙にゴシカルな一面を持つドゥーム・メタルとして聴くべきなのかも知れません。

 

単体の楽曲の尺の長さは9分から12分にかけて、そして一枚のCDアルバムをトータルすると全5曲54分という、圧倒的な大作志向の元、楽曲を制作するバンドのようです。

ドゥーム・メタルの特有の、ただひたすら同じ旋律を反復するタイプの美学は無く、微妙なテンポ・チェンジなどがあるものの、聴き手によっては、真剣に聴くには、非常に退屈に感じてしまう一枚へと仕上がっているのかも知れません。

ドゥーム・メタラーである私としては、バック・グラウンド・ミュージックとして聴くと、たいへん癒されてしまいます。