Olvido 『Luto』 | Dark Music Space

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世界各国の、暗黒耽美の音楽の探求に日々勤しんでおります。

Band Name:

Olvido

 

Album Title:

Luto

 

Track List:

01. La Mascarada
02. Reniega Del Destino
03. Acción-Reacción
04. Pulsa Denura
05. La mataré
06. Pura Demagogia
07. Doble O Nada
08. Maestra
09. Instinto Natural
10. Hoy Voy A Morir
11. Sin Fe Y Sin Ceremonias

Band Members:
Nèstor Morales (Male Vocals)
Nacho Losada (Electric Guitars, Acoustic Guitars)
Ernest Parro (Basses)
Daniel Cuéllar (Keyboards)
Oriol Pujolràs (Drums)

Website:

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CD Review:
スペイン、ジローナ出身、ゴシック・メタル・バンドであるOlvidoが2013年にリリースした、2ndフル・アルバムにあたる『Luto』。

その音楽性は、恐らくはスペイン語による、中音域から高音域にかけてのシアトリカルな、パワフルな男性ヴォーカルをフロントに迎え、
時折導入されるパワフルな、妖艶な芳香を放つ中音域の女性ヴォーカル、エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ベース、ドラム、キーボード、そして一ゲストとして部の楽曲にヴァイオリンなどといった生楽器を配した、ゴシック・メタルの持つ重厚さ、シンフォニック・メタルの持つ荘厳さ、パワー・メタルの持つアグレッシヴさ、そしてオルタナティヴ・メタルの持つモダンさまでをも内包した、非常に聴きやすい、分かりやすいキャッチーなダーク・メタルが、一枚のCDアルバムの全編に渡り展開されています。

Bandcamp上にて、デス・ヴォイスを排除されたゴシック・メタル・バンドを探していたところを、発見致しました。
Facebook上でのオフィシャル・ページでは、イギリス出身のゴシック・メタル・バンドであるMy Dying Brideから、スウェーデン出身のシンフォニック・メタル・バンドであるTherion、アメリカ出身のヘヴィ・ロック・バンドであるSystem Of A Downまでの、実に様々な音楽ジャンルからの影響を公言しています。

ドゥーム・メタルのような重苦しさも、シンフォニック・メタルのような煌びやかさも控えめで、演劇的に、時にプログレッシヴに疾走するそのスタイルは、ゴシック・メタルというよりも、どちらかというとテノールの声域を持つ男性ヴォーカリストをフロントに迎えたメロディック・メタルとも捉える事が出来ると思います。

老害である私は、イギリス出身のParadise Lost、Anathema、My Dying Brideのようなゴシック・メタル界における先駆者とそのフォロワー・バンド達以外をゴシック・メタルとは認めておりませんが、ここ最近は、楽曲の完成度さえ高ければ聴く事が出来るようになってまいりました。

男性ヴォーカリストとして在籍するNèstor Moralesによる歌唱力は実に素晴らしいもので、シアトリカルなテノール・ヴォイスからアグレッシヴなシャウトまでを一人で担当し、洗練された音質と相まって、このOlvidoというバンドがマイナーな存在であるとは到底思う事が出来ません。

あくまでも私としては、このOlvidoというバンドが影響を受けたという、System Of A Downに男性ヴォーカリストとして在籍するSerj Tankianに匹敵する程の実力の持ち主だと思っております。
その反面、男性ヴォーカリストが素晴らし過ぎるあまりに、肝心の楽曲が歌声に負けてしまっているような部分があるのも否めません。

 

あくまでも硬派な音作りを好む私としては、時折導入される、過剰なまでにキラキラとした音色を奏でるキーボードもまた、蛇足だと思ってしまいました。

 

一番短い尺のインストゥルメンタルでの楽曲が1分、それ以外では7分から10分にかけての長尺に制作された楽曲もありますが、基本的には4分から5分にかけての楽曲が多く、一枚のCDアルバムをトータルすると全11曲51分という、楽曲の一つ一つが比較的コンパクトに纏められています。

あと一歩、ダーク・メタル・バンドには長尺の楽曲、そして深遠さを求めてしまうという贅沢者である私がおりますが、このOlvidoというバンドの場合は、楽曲の一つ一つがダークながらも非常にキャッチーに制作されているので、この位の尺の長さが丁度良く、十分なのかも知れません。