前投稿の続きです。
北野幸伯著「プーチン最後の聖戦」
第3章 休戦
~~ 米ロはなぜ和解したのか?
・この章を読まれる前に
・ルーズベルトにハメられて、負けいくさに突入した日本
・2008年に起きたロシア・グルジア戦争の真相
・欧米のプロパガンダに騙される「平和ボケ」の日本人
・ロシアとの戦争で得るものがなかったグルジア
・2008年9月、世界的経済危機の始まり
・リーマンショック後、「アメリカ一極世界」は遂に終焉した
・オバマ大統領誕生の意味
・一極世界から多極世界へ
・アメリカ、自身の没落を認める
・中国、「世界共通通貨」導入の提案
・浮上する中国
・プーチン、「想定内」の危機と「想定外」の危機
・オバマとメドベージェフによる、米ロ関係「再起動」
・米ロ「再起動」の更なる進展
・メドベージェフ、アメリカの訪問で一定の外交成果
・悪化する米中関係
・暴走中国のレアアースショック、世界に走る
・プーチンとメドベージェフの危うい確執
・欧米の本当の怖さを知らないメドベージェフ
・「神」、プーチンの帰還
・・・・・・
●半蔵門補注・・・本書「第3章」は
「メドベージェフ大統領の4年間」が描かれています。
プーチンは、なぜ、メドベージェフに大統領の席を譲ったのか?
当総研は、「わざと、意図的」だと見ています。
また、メドベージェフが、欧米DSに接近して、欧米かぶれして、
DSのように振る舞う有り様は、一見、「プーチンへの裏切り」「寝返り」
とも見えますが、これも、当総研は「わざと」だと見ます。
当総研ツイッター御覧の方々は御存知の通り、
日本の政治は、國體勢力が、「保守正統」と「偽装DS」「偽装左翼班」
など、スタンスの違いを意図的に振り分け、プロレスしています。
岸田首相が「偽装DS」として、増税派財務官僚たちの言うことに
「聞く耳を持つ」のも、そのためです。
同様に、プーチンは、メドベージェフに「偽装DS」として、
DSに「面従」(腹背)する作戦をした、と洞察できます。
なぜなら、プーチンは、事前に「世界金融恐慌・リーマンショック」が
来ることを、諜報的に知っていただろうからです。
「世界金融恐慌」は、DSが意図的に引き起こしたものですが、
その対処は、相手がDSであろうとも、協力して対処しないと、
うまく切り抜けることができないからです。
但し、このDSとの協調路線のために、人類は、
リビアのカダフィ大佐という貴重な人物を失うことになります。
・・・(補注おわり)・・・
・・・(要約開始)・・・・・・
第3章 休戦
~~ 米ロはなぜ和解したのか?
■ この章を読まれる前に
この章は新聞記事の引用を多用する。事実である証拠としての新聞記事を提示。
読みやすさは犠牲にしても。
■ ルーズベルトにハメられて、負けいくさに突入した日本
国際関係とは、「ウソ八百」でしかない。
アメリカに原爆を2発落とされて、無辜の民間人を大量虐殺されたのに、
広島原爆記念碑に「二度とあやまちを繰り返しません」(主語なし)と刻まれる。
真珠湾を奇襲攻撃した日本が悪い、と洗脳された戦後日本人。
しかし、911同時多発テロで(たった)数千名を殺されたアメリカは、
アルカイダを匿っているとされたアフガンのタリバン政権に対して
原爆を落としたか?原爆投下で、アフガン国民を大量虐殺して良いとでも
言うのか?
「いいえ、違う」と判断できれば、「真珠湾奇襲と原爆の関係」も同じこと
ではないか。
その上、ルーズベルト大統領は真珠湾攻撃を事前に知っていた。
そのことが記事にもなっている。ゆえに、奇襲ではなかった。
フーバー大統領が回顧録で暴露。
当時、ルーズベルト大統領は、米国がドイツとの戦争に参戦する口実を
探しており、日独伊三国同盟がある故に、日米開戦となれば、
欧州の対独戦に米国は参戦でき、英国を助けられる。ゆえに、
日本が米国に先制攻撃するように「仕向けた」のだと。
イラク戦争の開戦の理由(大量破壊兵器がある等々)も全部ウソだった。
■2008年に起きたロシア・グルジア戦争の真相
プーチン大統領が任期終了で退任。
後継に、2008年5月、メドベージェフ大統領就任。
2008年8月に、ロシア・グルジア戦争勃発。
小国グルジアを大国ロシアが侵略したのか?
断じてNO! グルジアがロシアに戦争を仕掛けたのだ。
グルジア軍が南オセチア自治州共和国の州都ツンバリに
侵攻して、駐留ロシア軍司令部を空爆し砲撃を浴びせた。
この経緯としては、1992年以降、南オセチアは
16年間、事実上「独立状態」だったが、
2008年2月に、セルビアの自治州コソボが独立したことで、
南オセチアもそれに見倣う動きとなったため、
独立阻止の鎮圧のために、グルジア軍が動いたのだ。
■ 欧米のプロパガンダに騙される「平和ボケ」の日本人
西側報道が垂れ流す
「弱い小国グルジアが大国ロシアに侵略されている」と
いう情報に、日本人はすっかり洗脳されている。
親欧米派のサアカシビリ大統領が、欧米メディアで
「ロシアがグルジアを攻めた」「グルジアはロシアに侵略されている」
と、「ウソの宣伝」をしきりにやっていたため。
(半蔵門補注・・・現在の「ウクライナ事変」も全く同様のこと)
ロシアの国際的評判を失墜させることは
アメリカの国益に適うので、西側メディアによる
「ロシア悪玉論のフェイクニュース」がどんどん流された。
南オセチア自治州共和国へのグルジア軍の軍事侵攻が、
サアカシビリ大統領の独断とは考えにくい。
サアカシビリ政権は、アメリカの傀儡政権だから。
(裏でアメリカが指示していると考えるのが極めて妥当)
■ ロシアとの戦争で得るものがなかったグルジア
南オセチア自治州に軍事侵攻したグルジア軍は
「ロシア軍と南オセチア軍の連合軍」に攻められ敗走した。
8月16日、休戦協定成立
8月26日、ロシアが南オセチア自治州の独立を承認。
結局、サアカシビリ大統領は、南オセチア自治州を奪還しようとして、
逆に領土を失ってしまう事態に激怒した。
このままだと、NATOとロシアとの全面戦争か?
という緊張状態が発生した。
(半蔵門補注・・・現在のウクライナ事変と酷似した状況ですね。)
しかし、ここで、世界的大事件が勃発する。
■ 2008年9月、世界的経済危機の始まり
世界的大事件が勃発、それが「リーマンショック」。
2008年9月15日
米国リーマン・ブラザーズが史上最大の
「64兆円の負債」を抱えて倒産。
「100年に1度の大不況」に突入。
日経平均株価は、2週間で、12000円から6000円へと
半額に暴落。
10月3日、米国が「緊急経済安定化法案」を可決。
■ リーマンショック後、「アメリカ一極世界」は遂に終焉した
「リーマンショック」により、
「2008年をもってアメリカ一極覇権は崩壊し終焉を迎えた」
しかし、その1年半まえの2007年2月に、
プーチン大統領は、
「ミュンヘン国際安全保障会議」の演説にて、
「アメリカ一極覇権時代は崩壊する」と予言していた。
2008年9月23日
イランのアフマディネジャド大統領も、畳みかけるように
「アメリカ帝国は終焉への道を歩みつつある」と演説した。
■ オバマ大統領誕生の意味
2008年11月、ブッシュJR.大統領の人気は凋落。
オバマ氏が大統領選挙に勝利。
オバマは就任演説で、
「アメリカは、キリスト教徒とイスラム教徒、ユダヤ教徒にヒンズー教徒、そして
無宗教の人々の国である」と述べた。
これは、米国が
もはや、「アングロサクソンによる白人基督教国家ではない」
と、多様性容認の政治スタンスを表明するものであった。
■ 一極世界から多極世界へ
「一極世界 vs 多極世界」
2003年頃から「多極主義陣営」が形成され始めた。
フランス、ドイツ、ロシア、中国・・・。
2008年11月15日
ワシントンにて、「G20」首脳会合が開催された。
「G20」は、世界のGDPに占める割合の90%を占める。
もはや、G7とやG8だけで、
世界の趨勢を決めることができなくなった。
「G20」は、多極世界の象徴。
■ アメリカ、自身の没落を認める
2008年11月
米国の国家情報会議(NIC)は未来予測の報告書「世界潮流2025」で
2025年には、
1.チャイナとインドが興隆しているだろう
2.富と経済力が西側(欧米)から東側(アジア)へ移っている
3.世界は多極化している
4.アメリカの支配力は低下している
と予見した。
■ 中国、「世界共通通貨」導入の提案
2009年3月、チャイナの中央銀行(人民銀行)総裁の
周小川氏が、世界共通通貨として、IMFのSDRを使おう、
=SDRの進化させて、国際通貨にしてしまおう、と提案した。
これは、アメリカの基軸通貨を単なるローカル通貨にしてしまおう、
という提案であり、「ドル基軸通貨体制」こそが、
アメリカの独占的な金融特権であるのに、
それを手放せ、ということを意味した。
オバマは驚愕し、「そんなものは必要ない」と一蹴した。
■ 浮上する中国
リーマンショック後、勝ち組に躍り出たのがチャイナ。
2008年11月、温家宝首相が、4兆元(約57兆円)の景気対策を発表。
2009年のチャイナ経済は絶好調。
チャイナは、日本より30年遅れている分、成長の伸びシロがある。
賃金水準も低いので、世界の工場の役割を担える。
その上、チャイナの人口も2035年までは増加トレンド。
いよいよ、アメリカに並ぶ超大国の地位が見えて来た。
■ プーチン、「想定内」の危機と「想定外」の危機
プーチンはアメリカと戦うにあたり、必然的に経済危機が起こるのを見越して、
「経済危機に強い体質」のロシアを作る準備を怠らず進めた。
結果、2000年~2008年まで、ロスシはずっと経済黒字。
2007年には、ロシア国家債務を完済。
2008年当初で、1500億ドルの資金ストックを達成。
■ オバマとメドベージェフによる、米ロ関係「再起動」
リーマンショック後の経済低迷で
アメリカ・ロシア共に苦しいので、
互いに協力し合うことを約束した。
オバマは東欧にミサイルを配備しないと約束。
メドベージェフは、それを受けて、バルト海沿岸の
カリーニングラードへのミサイル配備を撤回。
■ 米ロ「再起動」の更なる進展
更に、米ロ両国(オバマとメドベージェフ)は、両国間の懸案事項である
アフガニスタン問題と、イラン問題の解決に当たる。
親米のメドベージェフは、アフガニスタン攻撃のための、米軍による
ロシア制空権内の飛行を許可。
両国の核ミサイル軍縮削減の約束もした。
そして、オバマは、メドベージェフからイラン制裁の合意を取り付けた。
しかし、オバマがいつもの嘘八百・口先三寸であることが露呈。
ポーランドで、地対空ミサイル・パトリオットの配備がスタートしたのだ。
更に、上海協力機構へのイランの加盟を中ロがブロックする、
という話にまで、オバマ外交は、中ロを動かした。
■ メドベージェフ、アメリカの訪問で一定の外交成果
2010年6月23日、メドベージェフは訪米し、
i-phoneをもらい、ロシア経済を「石油・ガス」依存体質から
近代化して、「ロシアのシリコンバレー」を作る構想をぶちあげる。
オバマとハンバーガー店でハンバーガーを頬張りながら
ロシアはWTO(世界貿易機関)に加盟することへの米国の支持を取り付け、
2011年11月、ロシアは、WTO加盟を果たした。
■ 悪化する米中関係
2010年、チャイナがGDPで日本を抜き、世界第二位になった。
日本は、民主党政権。
2010年9月7日、尖閣諸島中国漁船衝突事件が発生。
日中が対立するが、米国は、「尖閣諸島は安保条約の適用対象」
と明言したことで、チャイナもトーンダウンした。
■ 暴走中国のレアアースショック、世界に走る
2010年10月、対中国(日米)合同軍事演習を実施。
また、欧米側は、チャイナの反体制派の劉暁波にノーベル平和賞を
授与。チャイナは大反発。
欧米向けのレアアースを輸出制限する挙に出た。
■プーチンとメドベージェフの危うい確執
2011年「アラブの春」中東カラー革命が次々勃発。
チュニジア、エジプト、リビア。
中ロが国連で拒否権を使わず「棄権」したために、
国連安保理は、リビア攻撃容認決議をした。
ロシアでは、プーチンが「拒否権を使う」派であったが、
メドベージェフが「(容認)棄権派」であり、
メドベージェフ大統領の意見が通ったのだった。
メドベージェフ大統領は、プーチン首相を解任する権限がある。
プーチン首相は、「統一ロシア」政党を使って、大統領弾劾決議を
することが可能。
両者の権力は、微妙な均衡の上にあった。
■ 欧米の本当の怖さを知らないメドベージェフ
欧米は、ロシアに傀儡の大統領を置きたいと画策して来た。
1.親米派の筆頭・・旧ソ連・ゴルバチョフ総書記
2.2代目親米派・・エリツィン大統領
3.3代目親米派・・(石油王)ホドルコフスキーを大統領に
したかったが、プーチンに阻止された。
そして、メドベージェフ大統領は、欧米エリートたちに
ちやほやされて、舞い上がり、
大統領2期目もやるつもりで、その気になっていた。
■ 「神」、プーチンの帰還
2012年3月、プーチンは大統領選挙に圧勝して、
再び、ロシアに君臨することになった。
メドベージェフの2期目を阻止しようとする祖国愛国派の
KGBたちに、メドベージェフは勝つことはできず、
権力闘争に敗北した。
・・・・・・・・
以上が、「第3章」の要約です。
この第3章で見た通り、
グルジア戦争は、DS欧米の傀儡が南オセチア自治州に攻め込むことで、
DS側がつっかけて始まった戦争です。
現下の「ウクライナ事変」と経緯が酷似しています。
そして、グルジア戦争の後に、「世界金融恐慌たるリーマンショック」が発生します。
これは、その前から、サブプライムローンという粗悪な金融商品で、
それが起こるべくして起こるように、DSが「ネタ仕込み」していたものです。
ですから、「リーマンショック」は、不測の事態のブラックスワンではなく、
「意図的に計画的に仕組まれた破綻」だったのです。
さて、今回の「ウクライナ事変」
その後に来る「世界金融恐慌」とは?
当総研は、「米国株式暴落」からの「米国経済デフォルト」
だと推測しています。
詳細は、こちらをどうぞ。
米国株式大暴落(人類史上最大最悪)ブラックスワンが近づいている!! | 半蔵門インテリジェンス総研
では、引き続き、
次回、最後の「4章」を要約して行きます。
今回以上です。
それではまた。