昨夜は楽友協会にて、久しぶりにコンサートを聴きました。
北欧のピアニスト、アンスネス氏によるリサイタル。
北欧人にとって自然は脅威となる事が多々あると思いますが、
厳しすぎる故、それはそれとただ受け止め、人間の生活が穏やかに営まれているのでしょうか。
澄んだ空気、その繊細な変化をひたすら風景として見せてもらっている様な、「クリーン」で、「パストラーレ」な音楽。
北欧の人が弾くベートーヴェン、ブラームスに初めて触れ、そのクリーンの境地には世界の終わりが浮かびあがってくるような、哲学心を喚起させられる、新鮮な時間を過ごしました。
しかし、ウィーンのお客さんには「クラシック音楽」が染みついている…
演奏者にとっても、ウィーンという場所は特別の特別だと改めて感じました。
例えば…
ドイツ。
冬の厳しい寒さが訪れると、人々はその暗さや冷たさとじっと戦っているような、自然の移り変わりに並行して、人間の感情も変化しているような、厳格でアクティブな印象を受けます。
晩年はウィーンに越してきても、ドイツ生まれのベートーヴェン、ブラームス。やはりドイツ人の血が流れていて、作品にも滲みでてきているように思います。
オーストリア生まれのハイドン、モーツァルトはやはり少し繊細で穏やかで、ユーモア溢れるオーストリアン作品…
聴衆の皆様。きれいな世界を堪能しつつも、どこか、どうしても野性的な意志のこもった部分を求めている… そんな雰囲気も伝わってきました。
そんな中、
ジャパニーズはどう切り込んで行けるのだろうか… 。
刺激を胸に、
個人的にはロシアン人種分析に入りたいと思います。