和癒師えんです。
”わたし”のはじまりのひとつ。
その”はじまり”と”終わり”を記しておきたくて。
どう進んでいくかちょっとわからないけど、
途方に暮れている今の備忘録。
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はじまり。
こどもの頃、
深刻でもなくたわいもなく母から聞かされた話のなかに、、、
私がおなかにいるときのエピソードがありました。
今では笑い話だけど、
私は早産で未熟児だったそうで、
髪は茶色で
「外人の子かと思った」
「自分の子と思わんかった」
と。
「切迫流産で入院させられベッドに縛り付けられていやだった」。
「流れても良かったのに。」
「先生が余計な親切してくれて大変だった」、と。
この話は鮮烈に私の脳に刻まれて、長く私のとらわれとなった。
「妊娠中に煙草を吸ってもどやんもなかよ」、と。
「缶ピース、ぺっぺとしながら吸ってた」、と。
え?
だから切迫流産になったんじゃ、、、?
(とはその頃もその後もさすがに聞けなかった)
もしその親切な先生がいなかったら私は生まれてなかったの?
(って聞いたような気もするけどその答えは適当な感じでこれまた深刻な雰囲気はなかったような記憶)
首の皮いちまいでこの世に生を受けた私。
首の皮いちまいに対する感謝より、
「生まれなかったらどうなったんだろう、、」とか、
「生まれてきた意味は、、、」の問いかけがひりひりと心をうずかせる。
その後の母とのいさかいでなんども繰り返されたやり取り、、、
「そぎゃんこつばっかり言うならするなら出ていきなっせ」
「出ていけて言うならなんで生んだとね?!」
「親に向かってなんちゅうこつば言うね」
「生まれてきてほしかったから」とか
「愛してるから」とかの言葉が欲しくて反論反発すると、それ以上の怖い言葉が返ってくる、の繰り返しはその後もぐるぐる続く。
言葉の魔力ってものすごい。
こども時代、ずっとひりひりしていて、
そのヒリヒリが何なのか、
ヒリヒリ最高潮に達した高校時代、
ある意味必然的に行きついて読んだフロイトの「精神分析入門」から、
「心理学」を学びたいと。
いろんな状況や母とのぶつかり合いに勢いを借りるような形で、
半ば家出のように広島へ。
母とは、
親とは、
家族とは、
そのなかでの自分は、とは、
そんなものを模索し続けた、はじまり。
家庭を持って息子を授かったのちの二度の同居。
一緒に暮らしては「熊本に帰る」と母が出ていくたびの空虚感。
自分の輪郭をつかみたくて模索したなかで集めて来た本たち。
自分が歩いてきた道のりの「テーマ分類」を端的に表現してくれるこれらの本を、
ずっとここに並べてきたのだけど、
手放していいかな、
手放して、
ここに新しい場所を作りたいな、
ふとそう思い始めました。
はじまりの終わりを、
迎えられたんだなぁと。
終わりは、
母が亡くなったことじゃなくて、
母の生きざまが、
はじまりの時の言葉の呪縛を解いてくれたということ。
言葉よりも、
最後まで無心に生きようとする命の営み。
「母より長生きしたくない」ってずっと思っていて、
それは、
「亡くなる時に呪いの言葉を残されたら生きていけんわ、、、」
っていうめちゃくちゃ悲観的な予測があったからだけど、
呪いの言葉どころか、
晩年が近づくにつれシンプルになっていく反応。
私のことが誰かわからないのもはっきりしているなかで、
「嬉しい」
「頑張るね」
「ありがとう」
を伝えてくれる母は、
ずっと答えを探してきた私の思考や予想に収まらなくて、
「やさしさ」とか
「ぬくもり」とかを求めたり喜んだり、
ひとが生きることのありのままを見せてくれたなぁと、、。
だんだんと、息が弱まるなかで、
「おかあさん、息、吸おうね」
「上手だよ、もうひとつ、吸おうね」
目の反射もなくなり、
かける言葉に呼応してるわけではないとわかっていても、
あえぐように吸う姿が応えてくれているかのようで
酸素マスクのなか、
身体を震わせながら息を重ねて、
ただ純粋に「力が尽きるまで命を生きる」姿を見せてくれて、
「生まれてきた意味ってなに」
私が問い続けてきたそのことの答えは、
まざまざとそこに在ったのでした。
*****
問い続けることとか、
その問いに対する自分自身の想いを実践することがが自分の人生そのものみたいな感じになっていたから、
突然降りてきた
ある意味「美しすぎる収束」
に
「え、終わっちゃったよ」
時間が経つとともに、
母という存在の力を借りて、それをばねに生きてきた自分に気づき、
「え、これからどうするの?」
「これってやばくない?」
そんな今です。
弱っていく母を見る悲しさとか淋しさとか、
現実の母に会いに行ける場所がなくなった淋しさとか、
エネルギーを向ける対象がなくなって途方に暮れていて、
すぐにどうこうなるものではないけれど、
これまで見えてなかったもの、こと、
心や生活のなかの新しいスペースで、
改めて大事にしていきたいな。