【ディスファーリノパシーにおける呼吸機能と心機能】 | 日本ディスファーリノパシー患者会

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本日は正会員向けに、「ディスファーリノパシー(Dysferlinopathy)における呼吸機能と心機能」についての論文2本をご報告致しました。この論文は2015年(国内)と2022年(海外/COS)のもので、呼吸機能検査・心電図検査・心エコー検査を行なった患者さんの呼吸不全と潜在的な心機能障害について報告されています。また、ディスファーリノパシーの患者さんの中には非侵襲的陽圧換気(NPPV)が必要な方もいるそうです。

 

私たちの病気は、病状が非常に軽度の方から重度の方までおりますので進行と共に注意深く生活しなければなりません。この件に関して、常染色体劣性遠位型筋ジストロフィー(現:三好型筋ジストロフィー)を報告した故三好和夫先生と共に研究をしていた美波町国民健康保険 日和佐病院院長 川井尚臣先生もおっしゃっています。

 

追伸

1) ディスファーリノパシー(Dysferlinopathy)とは、ディスファーリン遺伝子(Dysferlin)の異常で発症する筋疾患(三好型筋ジストロフィー・肢帯型筋ジストロフィーR2/2B・遠位前方コパートメントミオパチー)などを総称した病名を言います。

 

2) 筋病理診断で三好型は肢帯型筋ジストロフィーR2/2Bと同じ筋ジストロフィーに区分されますが、現在のところ三好型は遠位筋優位のミオパチーの総称である遠位型ミオパチーに含まれています。ですが、仮に三好型を遠位筋優位とするならば遠位筋優位の筋ジストロフィーの総称である遠位型筋ジストロフィーに三好型を含めなければ筋病理学的にも医学的にも無理があります。

 

3) 「平成27年度 第1回 厚生科学審議会 疾病対策部会」では「今度は1回目の指定疾患に入っていた30番の遠位型ミオパチーという中に三好型が入っているわけです。これは、昔、研究費をもらうときに遠位型ミオパチーという名前にしないと、難病にまとめられないということで無理に入れたという経緯もあるのですが、これは遺伝子から言っても、もともと筋ジストロフィーと同じものです。」と報告されています。

即ち、三好型を遠位型ミオパチーに含めた件に関して医学的根拠は無いと言うことです。そして、今もなおディスファーリノパシー(Dysferlinopathy)では行政機関における研究費・臨床試験・治験などの申請は出来ません。

 

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