【入場】全自由席 1,500円(シンポジウム含)シンポジウムのみ500円(公演の半券で無料)※未就学児はご入場いただけません
【主催】文化庁、日韓演劇交流センター
【制作】日韓演劇交流センター
世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515 (10:00~19:00 )
世田谷パブリックシアター オンラインチケット
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韓国現代戯曲ドラマリーディングエクストラエディション
2002年からスタートした韓国、日本の劇作家をお互いに紹介し合うという隔年開催の演劇交流も8回目を終えました。その上演のない狭間の都市にも何か企画をやろうということで、今回のエクストラエディションを実施することとなりました。すでに多くの日韓の演劇人が交流を深める時代となり、ますます注目の高まっているドラマリーディングです。翻訳はされていますが、まだ日本で上演のない作品をリーディング公演したいと思います。
『クミの5月』 作:パク・ヒョソン 1988年
1980年に起きた光州事件を描いた初の戯曲であり、1980年代の民族劇(マダン劇)運動の記念碑的作品でもある。女子高生クミの視線で描かれる光州事件。軍の弾圧に抵抗し最後まで県庁に立てこもって殺された兄。事件後、政府は遺族たちを要注意人物として弾圧する。貧しいが平凡で平和な家庭だったクミの家族は、兄の死後、真実解明と民主化運動に参加するようになる。
ある日、警察に連行された母親を思い、光州事件を回想するクミ。
写実的な描写とマダン劇的なデフォルメや集団演技が取り入れられた80年代民族劇の様式で書かれている。
朴暁善(パク・ヒョソン)(1954~1998)
1954年忠清南道大田出身。全南大学国文科卒業。78年、「行動する作家」黄晳暎らと「民衆文化運動」に参加。労働者や貧しい市民のための「野火夜学」教師をしながら「咸平(ハムピョン)さつまいも」作・演出。79年、大学演劇部後輩達と劇会「広大」を創立。80年、黄晳暎『韓氏年代記』稽古中の5月、光州抗争勃発。劇団員と市民軍の広報活動に従事。最終決戦の日の早暁、道庁脱出、20ヶ月間の逃亡生活の末に検挙。釈放後、83年劇団「トバギ(生粋・土地っ子)」創立。88年「クミの5月」、92年「彼らは潜水艦に乗った」、93年「牡丹花」、97年「青い糸赤い糸」など一連の5月劇を発表、「永遠の5月広大」、「5月光州の伝導師」の愛称を得る。94年、創作戯曲集『クミの5月』出版。97年第二回光州ビエンナーレ開幕祭・閉幕祭総演出。98年9月10日午後3時、肝臓癌で死亡(満44歳)。「野火夜学」に関わった光州抗争の犠牲者と共に「野火七烈士」の一人として追悼されている。