苦しみというと、みんな嫌がるけれども、苦しみ自体は人を幸せにも不幸にもしないね、
受け取る側の心ひとつ、対応ひとつの問題だよ。
「発酵する」か「腐る」かということ。
大変な苦労にぶち当たって、腐って朽ちてしまう人と、発酵して、心も顔の表情も風格も素晴らしい絶品の人間になる人がいる訳だよ。
牛乳は腐れば飲めない、発酵したら、ヨーグルトやチーズや素晴らしい食品に変わる。それと同じ。
だから、俺は空手の後輩や弟子には言ったよ。
「枕にキノコが生えるまで泣け」、「大きく悩んで、大きく悟れ」と。
二人の男がいてね。一人は悩みと正面から向き合って、のたうち回って苦しんだよ。自分自身を責めてね。もう一人は「俺もう死にたいよ」と愚痴りながら、酒、パチンコ、カラオケで誤魔化して、時間を過ごした。
前者が悩んで発酵し、人間として向上して悩みの問題を解決できる男になった頃、後者はまだ同じところで愚痴を言っていた。
悩むことを、女々しいとか弱々しいとか言う奴いるけど、バカ言うなって。
卑怯もので勇気のない奴が真剣に悩めるはずがないんだ。
真剣に悩んでるあなたは強いし、正しい。
そして今、大事に抱えてる悩みは必ず将来のあなたの幸福になる。
すなわち、悩みとあなたの幸福は別物じゃない。
俺にも悩みは勿論ある。
みんな悩みを大事に育てようじゃないか。
