ALL BLUES 第15話「ダイナコンプ 」 | HMC

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Sさんの使用機材はストラトキャスター、Fender S Reverb、モガミのケーブル、ダイナコンプのみということですね。アンプについては先程お聞きしました。ダイナコンプは何故使っていらっしゃるのですか?

OK、いい質問だ。菊池構成の「憂鬱と官能を教えた学校」って本は読んだことあるか?

いいえ。

そうか、まぁ、別に大して面白い本でもないから読む必要もないよ(笑)ただ、興味を引かれたところもあった。うろ覚えだけど、音楽の内容は大分すると「音程」と「音響」に分かれるらしい。

そうなんですか。

もともと、西洋音楽は「音程」を表す記号である譜面があれば成立できた。それが近年では録音技術の発展によって「音響」の部分が重要視されるようになってきた。という話。

なるほど。どうでもいいような話ですね。

だろ?(笑)だが、考えてみると結構そんな感じなんだよな。ロックミュージックなんて、どうしょうもなく退屈な音程、ハーモニー、リズムを使ってるくせに、パワーコード一発ガツーン!なんてサウンドがズドーンと心に響くときもあるだろ?あれは弾き手の気持ち、、、っていうのもあるかもしれないけど、単純に音がいいんだよ。

そうなんですね。

例えば、枯葉のメロディを全く譜面のまま、テナーサックスで吹くとする。それはそれで結構聴けるだろ?それをジャズギターのサウンドでやったらどうだ?「ポン・ペン・ペン・ペーン」みたいな感じだよ。全く聴けたもんじゃない。とにかく、聴かせるには工夫が必要なんだよジャズギターは。

そうですか。

まず大切なのは「音程」の工夫で、それこそが音楽の本質とも言えるものだから、頑張るしかない。だけど疲れちゃうんだよね(笑)音響的な部分にも努力は必要だけど、音程の努力よりは随分楽だし、何と言っても楽しいんだよね。音響(音色)の研究が音程に良い影響を与えることもある、、、かもしれないし。まぁ、正直オレは音程やハーモニーの研究より音色の研究の方が好きだね。

じゃあ、もっとエフェクター使えばいいじゃないですか。 

そう思って色々使ってた時期もあったよ。でも、オレの場合それをやりだすと楽しくなりすぎちゃって全く弾けなくなってしまったんだ(笑)また時期が来たら沢山ペダルは置こうと思っている。今は、ブースター、ローカット、コンプレッサー機能があって見た目もカッコ良くてツマミは2つとシンプルで、かけっぱなしで気にならない最高のペダル、ダイナコンプだけを使ってる。yy.electronicの山根社長にモディファイしてもらったものをもう随分使ってるよ。

音の粒を揃えたいという事ですか?

うーん、まぁ、そうといえばそうだけど、そういうわけとも言い切れないんだよね、、、もう少し詳しく話そう。「ADSR」の話だ。