●移住支援と言うけれど・・・♪ | 南房総千倉・魚拓荘鈴木屋 ・ さざえのつぶやき(ブログ)・ お魚料理をお部屋か個室で楽しむ宿♪ 

●移住支援と言うけれど・・・♪

今日、地方誌の雄、ぐるっと千葉を見ていたら、千葉県内のいろんな地区が移住者の方たちへの手厚いサービスをしている記事がでていました。

今だに人口が減っていないだろう千葉市や八街市、四街道市から、南房総市、館山市、鋸南町、いすみ市、長生村まで、ほとんどの県内の行政区が地域への移住を声高らかに謳っています。

 

 

例えば、僕が住む南房総市。

東京にも住んでいましたから、違いは良くわかります。

 

■まず、メリット。

空気はうまい。これは絶対。

昔、東京駅の地下ホームから内房線の特急電車が出ている頃、千倉駅まで乗ってきてホームに降りた時の空気のうまさは感動ものでした。

 

気温は夏、涼しく、冬、暖かい。

これは南房総エリアだけかも。

千葉市内なんか、東京と同じで、夏は暑いし、冬は寒いですから。

東京で毎冬来ていたボマージャケットは着る機会もなく、押し入れの奥に入れっぱなしにしていたらカビだらけになってました。

 

魚、野菜は新鮮で豊富。

今、都内のスーパーも新鮮な食材が豊富に揃っています。

千倉のスーパーよりも安かったりします。

北海道や九州の食材もありますから、これは余りベネフィットではないかも。ただ、旬は感じます。カツオやソラマメ、枇杷の時期とかは特に。

お肉はこのエリアは余り得意でないかも。

種類は少ない、値段も高いと思います。

 

買い物や食事は車で約20分の館山に行けばユニクロやイオン、スタバ、バーミアン、牛角などがあり、コンビニもたくさんあるので、別に不便はない。ネットでも買えますしね。

でも選択肢は圧倒的に少ないです。

 

■逆に残念なこと。

 

映画館がない。

一番近くて車で約1時間の木更津まで行かなくては映画は見れません。

アマゾンやネットフリックスでも見ることはできますが、あの大画面でポップコーンとコーラで見るのとはやはり違います。

https://www.489pro.com/asp/489/menu.asp?id=12000036&ty=ser&l

本屋の数が少ない。

まともにハードカバーや文庫本があるのは、館山のイオンの本屋さんと館山市内に数軒のみ。

今はネットでも本は買えますが、本屋さんであっちの棚やこっちの棚を見ながら、お気に入りの雑誌や文庫本を買った大学生や社会人時代が懐かしい。

 

居酒屋やバーの種類が少ない。

どこかで飲んでも、2次会のチョイスが少ない。

シティホテルがない。

 

 

コンサートに行けない。

南総文化ホールと言う立派な会場がありますが、そこにテイラー・スウィフトは来ないし、スノーマンも来ない。

たまに演歌歌手の方は来ます(笑)。

 

美術館がない。

アカデミックな場所が近くにない。

 

テレビで吉祥寺や下北沢、銀座や原宿など都内の最新スポットが紹介された番組をたまに見ます。

都内に住んでた頃は会社帰りに遠回りして寄れましたが、今ではいつ行けるのやら・・・

 

交通の便はひどい。

下の画像はJR千倉駅の電車とバスの時刻表。

 

東京方面から来る最終電車はここには載っていませんが、館山22:53発、千倉23:05着。

 

それと電車とバスの時刻表を見比べるとわかると思いますが、千倉駅にバスで着いた時の電車の乗り継ぎと、電車で千倉駅に着いた時のバスの乗り継ぎが余り考慮されていないのがわかると思います。

 

 

高速バスも東京駅や新宿駅、千葉駅から走ってます。

しかし、遅い時間は館山止まり。

館山に23時やもう少し遅い時間に着く高速バスがあります。

接続して千倉駅に行く電車はありません。

以前は23時でも館山駅にタクシーが待っていましたが、今はその時間にタクシーはいません。

かつて、それくらいの時間の高速バスで帰って来ることがあったのでタクシー会社に予約しようと電話したのですが、予約は受けていないと断られました。

館山駅近くや富楽里や枇杷倶楽部に車を置いて、自分で運転して帰ればいいのですが、高速バスを使う時は大体都内や千葉市内でお酒を飲むからで、そもそも車は運転できません。お酒飲まない時は自分の運転で都内や千葉市内に行きますから。

結局、代行サービスに事前予約して、その駐車場から自宅まで代行サービスで帰るしか手立てはないということ。

 

病院。

小さな医院、歯医者さん、目医者さんなどは結構あります。

総合病院も鴨川市に亀田病院、館山にも館山病院と言う立派な病院があります。

しかし、そこに行く手段が限られている。

 

 

今までご案内したように、車があればいいですが、年を取って車を手放した時、初めて気が付きます。

買い物しようにもスーパーやコンビニまで行く手立てがない。

病院にも行けない。

特に夜間、と言うか夜早い時間でもバスも電車も利用できなければ、それは陸の孤島と言うこと。

 

行政の方々は積極的に移住を促進するのであれば、何はともあれ、現状の交通アクセスを整備すべき。

移住希望の方にその現実をしっかり理解してもらって、初めて移住してもらって下さい。

 

移住する方は、まだ車を運転できるうちに引っ越してくるのかもしれませんが、免許を返納した時のことを良く考えて下さい。

 

タクシーも朝7時前、夜6時以降は予約を受けてくれません。

その時間帯に車がなければ、歩いていけない場所には行けないのです。

 

かつては東京駅から千倉駅まで来る「さざなみ」と言う特急電車がありました。東京駅19:30の電車は館山で乗り換えですが、時間ロスなく乗り換えできて、千倉には22時頃着きました。便利でした。

 

東京行の高速バスも千倉から乗れた7時台と8時台のバスはコロナを理由に切られたまま復活せず。

東京からの下りは、千倉着22:34だったのが館山止まりに変更のまま復活せず。

 

千倉駅前に常に複数台停車していたタクシーは今やマックス3台。2社が1社に。

朝早く、夜遅い時間は皆無。

 

かつては職員の宿泊所も兼ねていたJR千倉駅も今は日中の数時間人が一人いるだけ。

 

どんどん公共アクセスに関するサービスは悪くなる一方。行政の方、何とかしてください。

観光に来ていただく魅力ある街は、住む人にとっても魅力ある街でなくてはと思います。

 

 

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