その収納スペース本当に必要ですか?


リフォームの失敗についてはいろいろ示唆する記事を見かけますが
それはあくまでも方法論であり根本的な解決には結びつかないのでは?と思っています。

特に収納スペースを増やしたいからというリフォームについてはそもそも何が原因で
収納スペースが必要になったかと考える必要があります。

家の中のスペースは有限です。つまり物を増やし続ける限りスペースを求めると際限がありません。

「すべて大切なものなので処分できない」と言うとしたらそのマインドを見つめ直すしかありません。

確かに思い出は生きる上で必要なものです。それを処分することは痛みも伴います。

ですが新しいものを購入するなら、あらためて本当に必要なものか、そして
既存のものを処分する必要があるかどうかを考えなくてはならないということです。
コレクションはまた別な話ですが。

それに、リフォーム会社にとっては否定する必要はありませんよね。
収納が欲しいというお客様は大歓迎だからです。


足し算よりも引き算を


インテリアの失敗例の多くは足し算するあまり目にうるさいインテリアになってしまうことです。

「使う色は3色まで」と聞いたことはあると思いますが、それは足し算の危険さを表している言葉でも
あるんですね。

家を新築する、リフォームするときにはモデルハウスに行ったりすることも多いと思いますが、
モデルハウスは一見さんを引き止める工夫が盛り込まれていることがあるということはあまり知られてはいません。
その理由は言うまでもなくモデルハウス側は少しでも長い時間滞在してもらいたいからです。




物足りないぐらいがちょうど良い



ハウスメーカーのモデルハウスのコンセプトは一見さんを引き止めるためにどうしても
しつこくしてしまいがちですが、そのことを逆効果だと思っているハウスメーカーのトップのかたも
いらっしゃいます。

その理由は明確なものでした。
同じお客様が何度か来ているうちに飽きてしまうからというのです。

実際モデルハウスを見て飽きてしまったという経験がある私はそのことを理解していますが、
モデルハウスを建てる側にしてみれば妥協したくない故にやりたいこと、見せたいことを精一杯表現してしまうのですから
あえて物足りなく見せるということは経営トップでなければ決められないだろうなと妙に納得してしまいました。


リフォームも同じ

やりすぎないようにするのは実に難しいことだというのが
モデルハウスの話で少し理解できたのでないでしょうか。

我々プロでも常にそれと戦っています。

自分の場合はできる技術をあえて使わないようにし、
職人さんからこんなことができますよという意見に対し、
必要ありませんと伝えることも少なくありません。

つまりできないのではなく使わないのです。

自分もついつい技術を見せたいという衝動に駆られるのですが
それをグッとこらえているということです。


ですからリフォームも同じで、
やりたいことを我慢する、つまり物足りない具合でちょうど良いのかもしれないということです。

足すのは後からでもできます。