Webマーケティングの現場で起きた、ヒヤリとする失敗談を共有します。今回は、あるクライアントのInstagramアカウント運用で発生した出来事です。
◆担当者の報告「原因はツールのバグです」
当時、ある担当者がクライアントのInstagram広告運用を長年担当していました。彼はデジタルチームのチーフという肩書でした。
しかし、彼が担当するキャンペーンにおいて、広告の成果がGoogleアナリティクス(GA)で正しく計測されない、という問題が長期間にわたって発生していました。
クライアントへの報告の際、彼はその原因を「Googleアナリティクスのバグ」と説明していました。私自身はGAの専門知識がなかったため、彼の言葉を信じ、そういうものなのだと思い込んでいました。
◆事態が動いた、データ分析の専門家の一言
状況が変わったのは、チームにデータ分析の専門家であるAさんが加わってからです。Aさんは、これまでの報告内容を聞き、すぐに疑問を呈しました。
「もし本当にGAのバグなのであれば、世界中で大騒ぎになっているはずです。これは、何か別の原因があるのではないでしょうか?」
Aさんが調査を進めてくれた結果、原因が判明しました。
Instagram広告からWebサイトへユーザーを誘導する際、適切なパラメータ設定がされていなかったため、GAが広告経由のアクセスだと正しく認識できていなかったのです。
これはツールの「バグ」ではなく、完全に「設定ミス」でした。
◆この失敗から得られた3つの教訓
半年以上もの間、誤った報告を続けてしまったこと、そしてその報告を鵜呑みにしてしまったことを深く反省しています。クライアント様には、事実が判明したのち、改めて経緯を説明し、深くお詫びいたしました。
この痛い経験から、私たちは3つの重要な教訓を得ました。
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「担当者任せ」にしない文化を作る: 専門的な領域であっても、一人の担当者に任せきりにせず、チーム内でダブルチェック、トリプルチェックを行う体制が不可欠です。
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「おかしいな?」という感覚を大切にする: 「巨大IT企業のツールがそんなに頻繁にバグを起こすだろうか?」という素朴な疑問を持つことが、問題の早期発見につながります。専門外のことでも、まずは疑ってみる姿勢が重要です。
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失敗をオープンにし、チームの財産にする: 今回の件を個人間の問題で終わらせず、チーム全体で共有し、再発防止策を話し合いました。失敗は隠すものではなく、組織を強くするための貴重な学びとなります。
同じような課題を抱えているWeb担当者の方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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