Webマーケティングの現場で起きた、ヒヤリとする失敗談を共有します。今回は、年末年始のクライアント向けピッチ準備で発生した出来事です。

チーフの不在「翻訳は年明けに対応」

当時、私たちはある重要なクライアントのピッチに参加することが決まり、チームは急ピッチで準備を進めていました。資料の目玉として、データに基づいた競合分析とその英訳版が必要でした。

段取りとしては、データアナリストが分析を行い、その結果をデジタルチームのチーフである男性が英訳するという流れでした。

しかし、作業期間は年末の最終週。チーフはデータアナリストから分析データを受け取ると、それを誰にも共有しないまま、年末年始の休暇に入ってしまいました。私たちは「年明けすぐに翻訳してくれるのだろう」と思い込み、彼の段取りを信じていました。

事態が動いた、営業スタッフの焦りの声

状況が急変したのは、年が明けてからです。チーフは事前に聞いていたよりも長く休暇を取り(1週間以上)、全く連絡が取れない状態が続きました。ピッチの期日は刻一刻と迫っています。

チーム内に不穏な空気が流れる中、ある営業スタッフが声を上げました。

「競合分析の英訳はまだでしょうか?このままではピッチに間に合いません!」

彼の言葉をきっかけにチームが確認した結果、驚くべき事実が判明しました。チーフは分析データを誰にも共有しておらず、英訳作業に一切着手していなかったのです。

これは連携ミスなどではなく、完全に個人の「タスク放棄」でした。

この失敗から得られた3つの教訓

幸い、異変に気づいた営業スタッフが自ら急いで翻訳を行ってくれたおかげで、資料はピッチにギリギリ間に合いました。しかし、一人の無責任な行動がチーム全体を危険に晒し、多大な迷惑をかけたことを、私たちは深く反省しています。

この痛い経験から、私たちは3つの重要な教訓を得ました。

「担当者任せ」にしない文化を作る: 重要なタスクや属人性の高い作業であっても、一人の担当者に任せきりにせず、進捗をチームで可視化し、ダブルチェックできる体制が不可欠です。特に長期休暇を挟む場合は、タスクの受け渡しルールを明確にする必要があります。

「おかしいな?」という感覚を大切にする: 「あの人に任せて、本当に大丈夫だろうか?」という素朴な疑問を持つことが、問題の早期発見につながります。特に、過去にも同様の問題を起こしている人物(今回のチーフは残念ながら常習犯でした)に対しては、より注意深く進捗を確認する姿勢が重要です。

失敗をオープンにし、チームの財産にする: 今回の件を個人の問題で終わらせず、チーム全体で共有し、再発防止策を話し合いました。結果、「長期休暇に入る際は、進行中のタスクリストと関連資料を必ずチームの共有フォルダに格納する」というルールができました。失敗は隠すものではなく、組織を強くするための貴重な学びとなります。

同じような課題を抱えているWeb担当者の方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

弊社の評判はこちら