以下の内容は知人から聞いたお話しです。皆様のご参考にして頂けますと幸いです。

 

「これは、いけるかもしれない」

最終面接を終えた後の、私の率直な感想でした。
あるデータエンジニアリングの支援会社との選考。

カジュアル面談から始まり、一次面接、そして最終面接と、手応えは回を追うごとに強くなっていました。

 

求人票に書かれた「歓迎スキル」や「求める人物像」は、まるで自分のために書かれたかのようでした。

面接でも、私のこれまでのクライアントワーク経験や課題解決能力を高く評価してくれているのが、ひしひしと伝わってきました。

 

しかし、数日後に届いたのは、非情にも不採用を告げる一通のメール。
その理由は、「現状、〇〇様にご活躍いただけるポジションの提供が難しいという判断となりました」

というものでした。

 

あれだけ評価してくれていたのに、なぜ?
ポジションがないなら、なぜ最終面接まで呼んだのか?

頭の中が疑問符でいっぱいになりました。しかし、少し冷静になって採用側の視点に立ってみると、この丁寧で、一見矛盾しているかのような言葉の裏に、CEOが語れない「本音」が隠されていることに気づいたのです。

なぜ企業は「本当の不採用理由」を語れないのか

これは、私が一方的に企業を責めたいわけではありません。

採用担当者も人間です。応募者を不必要に傷つけたくないですし、細かい内部事情を話してトラブルになるのは避けたい、というのが本音でしょう。

 

特に「あなたの能力が、今回のポジションとは少し違いました」と伝えるのは、非常にデリケートな作業です。

だからこそ、彼らは当たり障りのない、それでいて嘘ではない「ポジションがない」という言葉を選ぶのです。

「ご活躍いただけるポジションがない」に隠された3つの本音

今回の私のケースを振り返ると、この言葉には少なくとも3つの「本音」が含まれていたと推測できます。

1. 本音①:「シニアすぎる」スキルセットとのミスマッチ

これが、おそらく最大の理由です。
今回の募集は「データエンジニア」。求人票を読み解くと、企業が求めていたのは、dbtやPythonを使い、手を動かしてデータ基盤を構築・実装する「中堅〜若手レベルの実務担当者」だったのでしょう。

 

一方、私は面接で、技術的な経験の浅さを正直に伝えつつも、これまでの経験から「クライアントとの課題解決」や「プロジェクトマネジメント」といった上流工程のスキルを強くアピールしました。

 

結果として、企業側はこう判断したのではないでしょうか。
「この人を採用するなら、実装担当者ではなく、プロジェクトリーダーやコンサルタントとして活躍してほしい。しかし、申し訳ないが、今の会社の規模では、そのシニアなポジションを用意できない…」

 

つまり、能力が低いのではなく、私のスキルセットが「高すぎた(あるいは、方向性がシニアすぎた)」ために、募集ポジションとのミスマッチが起きたのです。

 

2. 本音②:現場の「短期的なニーズ」との衝突

面接には、経営者と現場のエンジニアリーダーが同席していました。
経営者は、私のコンサルティング能力を高く評価し、「技術は入社後にキャッチアップすればいい」と考えてくれていたかもしれません(一次面接での発言からもそう感じられました)。

 

しかし、日々プロジェクトのデリバリーに追われる現場リーダーからすれば、

「今すぐコードを書いてくれる即戦力がいないと、現場が回らない」

というのが本音だった可能性があります。

 

長期的な視点でポテンシャルを評価する経営層と、短期的な課題解決を求める現場。

その間で議論が交わされ、最終的に「まずは目の前の火を消せる即戦力を優先しよう」という結論に至った。

社内の正直な事情なので、応募者には言えない、というわけです。

 

3. 本音③:給与レンジとのミスマッチ

これはあくまで可能性ですが、私の経験やスキルに見合う給与を提示することが、会社の現在の財務状況では難しかった、というケースも考えられます。これもまた、企業側からは非常に伝えにくい「本音」の一つです。

この経験から得た、次へ進むための教訓

今回の不採用は、もちろん悔しいです。しかし、この経験は、自分の市場価値を再認識し、次に進むための重要な教訓を与えてくれました。

  • 自分の「本当の強み」を再認識できた
    技術的な実装力よりも、「課題を特定し、計画に落とし込み、クライアントと合意形成する」というコンサルティング能力こそが、私のコアバリューなのだと、今回の面接を通じて確信できました。

  • 「ポジションがない」は、むしろ高評価の証かもしれない
    この言葉を言われた時、それは「あなたの能力が低い」という意味ではなく、「あなたの能力を最大限に活かせる環境を、今の我々は提供できない」という、企業側の誠実なギブアップ宣言なのかもしれません。そう考えると、少しだけ前向きになれます。

転職活動は、単に内定を得るためのプロセスではありません。

企業との対話を通じて、自分自身を見つめ直し、キャリアの解像度を上げていく旅のようなものだと感じています。

もし、この記事を読んでいるあなたが、同じように「手応えがあったのに、なぜか不採用になった」という経験をしているなら、落ち込む必要はありません。


それは、あなたが次の、より良いステージに進むためのサインなのかもしれません。

私も、今回の悔しさをバネに、自分の本当の価値を認めてくれる場所を探して、また一歩、前に進もうと思います。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

知人も私に話をして納得していたようです。ニヤリ