親から、連帯保証人だけは絶対になるな。

口酸っぱく昔何度か言われていた。


若かった私は、あーはいはい分かってるって。
他人の借金の保証人にはなるなってことでしょ?
バカでもわかるよ、そんなのなるわけないし!



人生経験のない私は、



底なしのように、馬鹿でした。




家族は他人では無い。
でも、その他人には家族も含まれる。



自分の家を購入するときに
私は夫単独名義の住宅ローンの
"収入合算"という名目で
連帯保証人になってしまいました。


当時の銀行員を来世の先まで呪いたいです。


「ご主人だけの収入、勤続年数ではローン契約ができず、奥様の収入と長い勤続年数、また育児が落ち着いたら正社員総合職に戻られるということで将来的に収入が今よりも上がりますよね。
奥様の収入がどうしても必要でして、合算させてもらえれば、稟議書はすぐにでも通ります。
当行には、保証会社を立てる契約はございません。」



こんな言い方だったのを、はっきりと覚えている。
糞銀行員と言いたいが、結果私に知識が足りなかった自業自得だが、夫も夫だ。


プライドが高いくせに、自分1人で家を買えなかったのだ。

3000万もしない、億ションでもない。


ど田舎の、都市計画にも入っていない土地代が比較的安いところだ。


夫は若くして、自宅とは別に不動産を所有していた。


不動産経営がわかっているのなら、連帯保証人の意味はわかっていたはず。

かたや、私は人生で初めてのマイホーム購入。高額なローンは、車を購入する以外に関わったことがなかった。


全く調べなかったわけじゃ無い。
むしろ、たくさん調べ尽くした。
金利のことや、ローンをどこで借りるか、生まれたての我が子を育てながら、夜泣きに対応しながら。

夫は仕事で月に半月は帰ってこなかったため、ずっとワンオペ状態で。

言い訳にしかならんかな。


子供が生まれて数ヶ月、心臓病になってしまい共に入院したときも、ワンオペで必死だった。


夫はその時、釣りに行ってましたよ。


医者に病名を宣告されたとき、頭が真っ白で、我が子がすぐに入院といわれ、小さいお手手に点滴の管が繋がれ、泣く力もないくらいぐったりした赤ちゃんを両手で抱き抱えるのが精一杯で。

自分の目から涙が溢れても、両手が使えないから涙を拭うことすらできなくて。


周囲には沢山の高齢者の外来患者がいる中、何で私は1人で病院にいるんだろうって。



脱線しました。



夫は、銀行と契約を結ぶ際、妻である私には絶対に迷惑をかけない、払い切ると言った言葉も覚えています。

私は信じてしまいました。



ハイ!ここが馬鹿ですね。
信じる信じないではなく、この契約を締結させてはいけなかった。
他の選択肢を考えるべきだった。


誰しも、離婚前提で結婚する人などいないと思います。
マイホームも、売る前提で買う人、いないわけではないけれど、ど田舎なら尚更売れないから、まぁいないでしょう。都会のマンションは考え方が違うかもしれません。


連帯保証人は、保証人とは違って
催告の抗弁権、検索の抗弁権がともにありません。


簡単に言うと



催告の抗弁権とは自分よりまず債務者に請求してほしいと主張できる権利。

また、検索の抗弁権とは自分より債務者の財産を先に差し押さえるように主張できる権利。



住宅ローンにおける関係性は

債権者 銀行
債務者 夫
連帯保証人 私



また、分別の利益といって、この権利も認められません。

保証債務(住宅ローンの残債)の連帯保証人が複数人いたとしても、債務を分割することができず、全員それぞれが全額分の債務を負わなければいけません。

1000万の債務があり、連帯保証人が2人だから一人500万ずつね、とはならないみたいです。


ま、連帯保証人が私しかないないので、私にはこれはそもそも該当すらしません…



債務者である夫が、債権者である銀行にローンの支払を滞らせたり、連絡を拒否したりすれば、連帯保証人である私は云とも寸とも言えないという。



離婚しようが、この保証債務はなくならない。


連帯保証人からは、債権者への保証人変更の手続きの権利もない。
できるのは、債務者である夫だけ。
ローンの借り換えは、連帯保証人になっている限り、私は新規のローン契約ができない。
限度額が制限され、審査がまず通らない。



ローンの借り換えができるのは、夫だけだ。


売却するにしても、土地と建物の名義人である夫だけしか手続きができない。



連帯保証人には、何一つ抗う権利がない。




地獄の連鎖だ。




簡単に、離婚ができない。

何もかも放棄して私なら離婚する。財産も養育費もいらない。なんで早く離婚しないの?ってよく言われます。



自分の身に降り掛からなければ、きっと分かるはずがない。


しないんじゃなくて、できないのだ。


ちょっとやそっとの額ではない、百万単位でも無い一桁ちがう額の連帯保証人。



住宅を購入する際は
夢を見てしまうけれど

どんなに仲が良くても、
離婚の「り」の字もなくても、

収入合算、ペアローンはしない方がいい。
騙されてはいけない。



連帯保証人に自分が絶対なってはいけないし、誰かをならせてもいけない。
高くても、保証会社を必ずいれることを強く推します。


なお、裁判所はどうやっても間に入れませんし、決定権は銀行なので裁判にもなりません。






…夫とは話し合いもできない。





地獄の連鎖を、解決したい。