旅行に行っていても、心底楽しめないでいた。


同じ部屋の友達は中学からの付き合いで、本当になんでも言い合える友達だったけど

私が夫の相談をすると、旅行が台無しになってしまうので言わなかった。


夜、部屋から彼女はご主人に電話を毎日入れていた。

「パパ~ そっちはどう?問題ない?~

今日はどこどこ行ってきたの。 楽しかったよ~」と報告していた。


私はというと・・・・ 夫に電話する勇気もなく・・・電話を入れたのは会社だけ・・


なんだか他の人には電話が出来るのに、なぜ夫だけに電話が出来ないのだろう・・・


なぜかとっても寂しくなったのを今でも覚えている。


旅行の最終日・・出発まで時間があり、友達と荷物の整理をしながら

楽しかったねなどたわいのない話をしていた。


その時なぜか・・・私は涙が出てきた。

帰りたくない・・・・夫のいる場所に帰りたくない・・・と心底思った。


友達に「帰りたくない・・・」と言った。


昔から旅行に行くと必ずみんなで「帰りたくないねぇ~」と話してたので

彼女もいつもの事だろうと思い「ほんと帰りたくないね」と言って私を見て驚いた。


「リナ どうしたの?」


「ほんと帰りたくないの・・・」


私は旅行に行く前に起きた事を彼女に話した。


「信じられない・・・・ 信じられない・・・お兄ちゃんの絵にそんな事したりするなんて・・・」

彼女は絶句していた。


今まであった事も話をした。そしてこの先、夫と生活していく自信がないことも相談した。


友達は

「ごめん。リナの旦那さんだからあまり悪く言いたくないけど・・ちょっと信じられない・・

そんなひどい事をする人がこの世の中にいるの?そんな心ない言葉を言う人がいるの?

私もパパとケンカすることあるよ。でもちゃんとお互い話し合うよ。

リナのされた事が私だったら・・・私は絶対許さない・・・・ 私はその人とは一緒にいれない!

リナ・・・ちゃんと考えればいいよ。アンタが離婚しても人からなにか言われても、リナの人生なんだから!」


「ごめんな。旅行だからこんな相談すると、気分台無しにすると思ったんだけど、最終日だから許して・・」


「いいよ。よく最終日まで我慢してたね~」


相談したら、少し気持ちも軽くなった。

帰っても夫が機嫌が悪くても、私はもう惑わされないでおこう。

ちゃんと自分の気持ちに正直になろう!


帰ったら話しするっていってたし・・ ちゃんと離婚の事も含めて話しをしよう!


そう心に誓ったのに・・・・

勇んで家に帰ってきたのに・・・


またしても、私の思っていた方向とは違っていた。


空港に着いても、私は夫に連絡するのが怖かった。


母と姉には帰って来たと報告した。


二人とも私の事情を知っていてか、夜のおかずを作っておいたから取りにおいでと言った。

後はご飯炊くだけだから楽でしょっ!と・・・・


また車を運転しながら涙が出た。


最後の報告が出来るまでは、まだ話さないでおこうと思った。


でも・・・おかずをもらって、家に帰り一応夜ご飯の用意をして待っていた。


夫は私が今日帰ってくることは知っている。

話しするって言ってたから、きっとまた怖い顔で帰ってくるのだろうと思っていた・・・


ガチャ! 玄関で鍵のあく音がした。


私は身構えた。緊張した。 

3日前の旅行に行く前に台所で怒鳴った時の夫の顔がよみがえる。


なのに・・・なのに・・・・


「ただいま~ 旅行楽しかった?」上機嫌で帰ってきた。


「話しするんだよね?」と聞いてみた。


「なにを? あ~あれ?旅行前の? あれは思ってること言っただけ・・・

ちゃんと言いたい事言い合わないとダメだと思ったから・・・

あっごはんある~ お腹すいたから食べよ!音譜


この時の私は・・・モチロン・・・・ 心の中でズッコケた。


この5日間・・・なんだったの?・・・怖くて怖くて・・・


それを家をグチャグチャにしてまで思ってること言わないといけないのかよっ!




そして・・・・


「私の旅行前と旅行中の5日間の気持ちを返せ~グーで叫んだ。


叫ぶのは心の中かよ・・・ガーン


結局・・・ 離婚の話し合いも何も・・・この時の話し合いはナシだったのだ・・・・


またしても、うまく丸め込まれてしまうリナだった・・・



でも、今にして思えばこの時の出来事で、ちゃんと離婚という文字が頭に浮かべられた事・・・

良かったのか・・・悪かったのか・・・はわからないけど・・・

モラ信者になりかけていたのを、少しはまだ思い留まる事ができたのかもしれない・・・