シンガポールの旧正月に欠かせない食べ物といえば
魚生 (Yu Sheng)
細切りにした野菜の、中華風のサラダのようなものですが、ここに次々と以下の材料を加えます。
それぞれの食材には、めでたい意味があるということです。
・サーモンの刺身 (年年有余・・・一年の繁栄)
・サラダ油 (順順利利・・・よどみない流れ)
・レモンの絞り汁 (大吉大利・・・健康と安全)
・胡椒とシナモン (招財送宝・・・商売の成功を招く)
・クラッカー (満地黄金・・・どこもかしこも黄金だらけ!?)
・プラムソース (舐舐蜜蜜・・・甘美な幸福)
ここからです、楽しいのは!!
このお皿を囲む全員、箸を手に手にイスからおもむろに立ち上がり、サラダをはさんで持ち上げては落とし、持ち上げては落とすことを繰り返します。
「持ち上げて落とす」というよりも、サラダを天井に向けて投げ上げる勢いの人たちもいて、もちろんテーブルの上はあっちにニンジンが、こっちにはクラッカーが飛び散り、けしてお上品な儀式ではありません。
あまり張り切って一張羅なんか着ていたら、ソースでシミが出来るんじゃあないかと気になって思いっきりこの作業を楽しめないことになります。
このサラダを混ぜる作業もまた、「恭喜発財」 といって、幸運と繁栄を願うものです。
旧正月前後の中華系レストランには、必ず 「魚生」のメニューが登場し、家族で、職場の一同で、これを囲みます。
スーパーマーケットにも 「魚生セット」 が売られていますが、買ってみたことはありません。
おいしいのかな?
ところで、「魚生」。
中国系シンガポール人が作り出した習慣なのでしょうか?
シンガポールに来て、初めてお目にかかりましたが、香港や中国本土でもこのような習慣があるのかどうか??
台湾には、なかったんですよ。
どなたか、ご存知の人がいたら教えてください。
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自問自答になりますが、今日シンガポール人の友達に聞いてみて、上の疑問点がとけました。
やっぱり魚生は本土中国にはない習慣なのですって。
1960から1970年頃に、シンガポールのレストラン経営者達が
「旧正月中に、なんか儲ける方法考えよう!」
と相談して、あみだしたのがこのメニューだそうです。
確かに、そんなに材料費や手間暇かかるわけでもないのに、ありがたさにちなんで結構なお値段。
これをシーズン中は家族で、職場で、取引先と、友達と、何度も食べるのですから、レストラン側としてはガッポガッポ儲けているのかも!
う~ん、さすが商魂たくましい!!