アメリカで公開された頃には、スッチーのボイコット が起こったほどのお騒がせ映画。
どんな悪徳スッチーが出てくるかと、最初から旅客乗務員が画面に登場するたびに、疑いの眼でジロジロ見ました。
飛行機の中で娘が行方不明になり、パニックに陥るジョディ・フォスターの姿。
いきなり操縦室に押し入ろうとしたり、たまたま乗り合わせたアラブ系の乗客を
「お前が怪しい!!」
と決め付けたりするトチ狂ったテンションに、違和感を持ったというレビューもあちこちで見かけていたのですが。
それは仕方ないかも・・・
私も同じように機内で子供が忽然といなくなったら、そうそう理性的な行動が出来る自信はない。
いくら理知的なジョディでも、コトがコトですから!!
「子供を救わなければ」 という使命。
限られた空間の中で、敵と勝負しなければならない状況。
同じくジョディ・フォスター主演の映画 「パニック・ルーム」 と共通する部分がいっぱい。
彼女は、理知的なだけが売りではないのですね。
飛んだりはねたり、走ったり、腕力をつかったり、意外と肉体派。
最後には、それこそ戦うことを職業とする男と一騎打ちしても、優位に立つたくましさに、思わずホレボレ。
ジョディに対抗する敵よ!
あまりにも情けない・・・。
終りの負傷の仕方もふがいないけれど、あの杜撰な計画はどうなってるの??
ずいぶん手の込んだ芝居を画策しているけれど、スカスカに隙がありすぎ。
大金を手に入れたければ、もっとマシな方法がいくらでもあったのでは??
「皆、他人に注意なんか払っちゃあいないのさ。
無関心なんだよ。」
おいおい、キミはそういう世界観かもしれないよ。
でも、あんな巨大な飛行機に乗っている人たち全員がそうだと、どうして言い切れるの?
意外とお節介な人や、他人のことをジロジロ見ている人もたくさんいます。
それに、子供の姿は飛行機内では結構目立ちますよ。
よその男が抱きかかえてどこかに連れて行くとなると・・・・
その辺の空き巣狙いや、コンビニでの万引き常習犯でも、一応人目を気にしていると思いますが。
確かに、娯楽作品で細かいことに突っ込みすぎるのはご法度。
でもねえ・・・肝心のトリックがここまで肩透かしでは、一気に興ざめというものです。
あの男は、大胆な犯罪を犯すには、100年修行が足りませんでしたね。
一番の見所は、あの最新型の飛行機でした。
飛行機の中の客席以外の空間があんなにあるなんて、知らなかった。
それも、あっちこっちから入り込めるものなんですね。
目を引くのが、立派な真っ白のファーストクラスのシート。
ウッド・フィニッシュのカウンターをしつらえたバー・ラウンジ。
あんな席に座っていたら、ベルリンからニューヨークのフライトなんて、あっという間でしょうねえ(ため息)。
ただし、途中で何度も緊急連絡が入ったり、酸素マスクが降りてきたり、ドタバタ誰彼が走り回ったり、トラブル・ハプニング続きのこの映画のような便には、けして運悪く乗り合わせたくない・・・!