【dark side】 其れ | 秋 浩輝のONE MAN BAND

秋 浩輝のONE MAN BAND

はじめに言葉はない

思いを振り絞り、一つの選択をした。だが心はすっきりしなかった。ほんとうにそれでよかったのか?間違った選択をしたんじゃないのか?決定するまでに、何度も何度も自身の心に問い直す。日ごとに結論は違っていた。優柔不断でぶれやすい自身の決定項を情けなく思った。没になった選択肢は、きっと怨念のようにそこいらじゅうを漂っている。

 

今朝、僕は車を飛ばして、ある場所に行った。そこはかつて、君と僕とがふたりの未来を閉じた場所だった。まだ「其れ」は霧散することなく、残存しているに違いない。案の定だった。きっと、君と僕のあとに訪れた他のカップルたちに迷惑をかけたに違いない。薄汚いタガイの欲に塗れた憎悪は、なまら浮遊霊のようにそこいらじゅうを漂っている。

 


シンゴジラの尻尾