目の前にいるのに
どうしても認識できない君の顔
君はいったい誰なんだ
会ったことがあるのか、ないのか
君と僕は手を繋いでいた
でも、君の顔はまるでモヤがかかっているようで判然としない
君の友達が君の周りにやってきた
君は彼らと楽しそうに話している
でも、人見知りの僕はその中に入っていけない
だから、とても寂しかった
そして、とてもつらかった
君が僕を特別扱いしてくれなかったことが
時は流れて
僕はとあるマンションに引っ越した
かつては遥か遠くに見えていた石鎚山が
目の前に広がっている
特に憧れていたわけではないけど
その勇壮さに圧倒された
玄関のチャイムが鳴る
ドアを開けるとそこに立っていたのは
はにかんだ微笑みを浮かべた君だった
でも、相変わらず君の顔はモヤがかかったままだ
