Babe I'm gonna leave you
Led Zeppelinのファーストアルバム(1969年リリース)の2曲目。初期のレコードにはTraditional Song(民謡)とクレジットされていた。長い間、僕もそうだと信じていたが、今日、間違った情報であることを知った。トラッドではなく、女性歌手Anne Bredon(アン・ブレドン)のオリジナル曲であると…Anne Bredon? まったく聞いたことがない名前だ。さらに調べてみると、Anne Bredonは、イギリスのフォーク・シンガーAnne Briggs(アン・ブリッグス)と同一人物で、Anne Bredonは結婚後の名前だそうだ。なーんだ、Anne Briggsならよく知っている(笑)ギタリストBert JanschやJohn Renbournなどとの共演でもお馴染みだ。驚いた! イギリスはほんとうに奥が深いというか、いろんなミュージシャン同士の繋がりが深い。彼女の曲だと判明してからは、作者のクレジットはAnne Bredonに変更になったらしい。
このことを書く予定はなかった(笑)書きたかったのは、当曲のサビと、Chicagoの大ヒット曲「長い夜(25 or 6 to 4)」のコード進行がそっくり同じであることだ。偶然なのだろうか。どちらが先にリリースされたのか調べてみると、Led ZeppelinのBabe I'm gonna leave youのほうが一年早かった! てっきり逆だと思っていたが、Led Zeppelinは1969年、Chicagoは1970年リリースだった。
Led Zeppelinの場合、古いブルースやロックンロールが元曲であることが多いが、Jimmy Pageは、その素材をそのまま出すのではなく、徹底的にアレンジを加え、まるでオリジナル曲であるかのように、かっこよく仕上げてしまうのである。天才的な仕立て屋さん(Tailor)なのだ。
この曲は、アコギのアルペジオから静かにはじまり、途中でハードロック調となり、最後はアコギのアルペジオに戻り、ブルースっぽいフレーズで締め括る。こういったJimmy Pageの非凡なアレンジの才能は、その後、Led Zeppelinの代表曲となった「天国への階段」では、ジャンルを越え、クラシック界などでも高い評価を得ることとなる。
Led ZeppelinⅠ(1969年リリース)
Jimmy Page
長い夜(25 or 6 to 4)
Chicagoは息の長いバンドで、1967年デビューして以来、未だに活動を続けている。初めはブラス・ロック・バンドでスタートし、「長い夜」もその範疇にある曲だ。アルバムはChicago Ⅱに収められている。70年代の初めに来日も果たし、日本でも大人気だった。動画は1970年のライブだが、オフィシャル盤と異なっているのは、Terry Kath(テリー・キャス)のリードギターが間奏で炸裂しているところだ。今聴くと、なかなか素晴らしいギターソロである。
1978年、Terry Kathは拳銃事故で死亡している。彼はあるパーティで、拳銃(リボルバー)を弄んでいた。ふざけて自分のコメカミに拳銃を当て、トリガーを弾いたのだ。弾倉に弾は残っていないと思っていたが、それは勘違いだった。一発だけ弾が残っており、銃創から弾は放たれた。即死だった……。
1976年、Chicagoは突然、ソフトロック(AOR)へと方向転換をはかった。バラード曲「愛ある別れ」が全米第1位の大ヒット曲になったのである。Peter Cetera(ピーター・セテラ)の美しい高音はバラードに打ってつけだった。それはそれで悪くはないが、私的には硬派のロックバンドでいてほしかったと思う。
Terry Kath
ChicagoⅡ(1970年リリース)
さまざまなBabe I'm gonna leave you
Joan Baez Version(1962年リリース)
1962年にレコーディングされたJoan Baez(ジョーン・バエズ)のライブバージョン。
作曲者アン・ブレドン(アン・ブリッグス)自身もたぶんレコーディングしていると思うが残念ながら見つけ出すことができない。今のところ、Joan Baezバージョンが一番古いレコーディングだ。Led Zeppelinのカバーとはまったく違った曲のように聞こえる。Joan Baezはフォーク・シンガーとして素晴らしいのだが、対照的に、Robert Plantがロック・シンガーとして、いかに優れているのか、Jimmy Pageのアレンジがいかに絶妙なのかが、改めて再認識できると思う。
The Plebs Version(1964年リリース)
ポップなアレンジだ。レコードの盤面にTrad. arr.とクレジットされている。なぜ、アン・ブリッグスは、自分が作った曲だと主張しなかったのだろう。印税だって入るのに、とても不思議だ。
Mark Wynter Version(1965年リリース)
まったく知らない人なので、何も言えない(笑)



