死は生(改訂版) | 秋 浩輝のONE MAN BAND

秋 浩輝のONE MAN BAND

はじめに言葉はない

いつ太陽が昇ったのかも判らない
心の拠り所が定まらぬまま
何の変哲もないどんよりと曇った朝を迎えた

眩しい君を見つめ続けてきた
そして瞬く間に一年の歳月が
目の前を通り過ぎていった

   屋根のない階段
   板張りの軋む廊下
   西日の射す唯一の窓
   蝶番のひとつ外れた部屋のドア

僕の部屋のひび割れた白い壁に
うな垂れた君の残像が揺れている
ハイヒールの音が少しずつ遠ざかっていった……

とりたてて悲しむことも
絶望に打ちひしがれることもない
奥行きのない部屋の2本の対角線上に
錯綜した想いの果てを並べてみる

抑制を解かれた端正な言葉が
両刃の剣となって自身をも傷つける
その都度、想いの深さを断ち切り
君を解き放つべく焦点を絞り込んでゆく

数々の錯視を飲み込んだまま
その理由を顕にすることもなく
無限の彼方に葬り去ること
それはあるべき生の固唾を飲むような一瞬の瞬き

 

無限の時間のループの中で君は呟く
死は生

 

 
 
 
2017.7.24
2019.7.8改訂