昔から刑事や検事や弁護士などが主人公のサスペンス・ドラマ…… 火サス、土ワイなど好きでよく観てました。どちらかといえばシリアスなヤツが好みです。
2時間モノのシリーズでは渡瀬恒彦の「十津川警部シリーズ」が一番好きかも。 私にとっての十津川警部は、高橋英樹や高嶋政伸や三橋達也(古っ!)や神田正輝ではなく、渡瀬恒彦なんですね。切れ者、冷徹な判断力、暖かな人柄を一番体現しているのは渡瀬氏だと思うのです。亀さんは何といっても伊東四朗。愛川欣也は何か違うような。
他の2時間モノも「湯けむり○○温泉…なんちゃら殺人紀行」みたいな、お笑いあり、美女入浴シーンありの おちゃらけた作品以外は、だいたい観ています。 1時間の連ドラでは、相棒シリーズ、ハンチョウシリーズ、臨場シリーズ、 科捜研の女シリーズなどが好きで、ほとんど観ています
サスペンス・ドラマ……特に刑事モノには定番のセリフや動作がたくさんあって、 色々ツッコミを入れながら観るのも楽しいものですw それらがドラマの嘘なのか? 本当の話なのか? この際、できるだけ正確に検証してみようと思います。 もし間違ったことを言っていたら、遠慮なくツッコミを入れてくださいね~。
●名取裕子主演の監察医シリーズについて
日本の現状は圧倒的に監察医不足です。 なので、必然的に一人の監察医に掛かる負担の高さは想像を絶するものがあります。 しかも司法解剖すべき変死体のうち、解剖出来るのは、ほんの僅かです。 データ検索すると平成20年度のものがありましたので表記しておきます。
平成20年度にあがった日本中の変死体合計 161,800体
そのうち司法解剖された変死体数 6,300体
司法解剖率 3.8%
司法解剖率は先進国の中でも圧倒的に少ない……。 残りは検死だけで荼毘に伏されています。 また、変死体であるにもかかわらず、 病死や自殺として適当に処理されている遺体もたくさんあるとのことです。 県によっては監察医制度がないところもあります。 原因のほとんどは日本の行政機構の遅れ、怠慢です。 医師側も監察医になろうという人は少ないのでしょう。 毎日、変死体の解剖ばかりというのは気持ちが良いわけはない。 高収入を保証する体制を国が整えるべきでしょうね。 変死体をもっと解剖できるようになれば、事件解決の糸口になる可能性が高くなると思われます。
このような日本の現状では、 ドラマの名取裕子のように一人の監察医が司法解剖したあと、 当該事件の捜査に加わり、解決までしてしまうなんて、 どうあがいてもできっこありません。 そんなヒマな監察医は日本で一人もいません。 もしできる時間があっても、夫である刑事の宅間伸に 「おまえは捜査に首を突っ込むな!」と、いつも怒られまくっているように、 刑事との関係がぎくしゃくするのは必至です。 越権行為で厳重に処罰される可能性もあります。 関東は地方に比べれば監察医の数は多いけど変死体の数も当然多い。 毎日、次から次へと司法解剖をこなし続けている中で、 自ら事件を追えるような空き時間などあるはずもないのです。
●検事が現場にしゃしゃり出て事件を解決することができるのか?
検事モノでは、「女検事 霞夕子」……いろんな女優が主演してました。 桃井かおり、鷲尾いさ子、真矢みき。 それぞれの個性的なキャラが生きていて、どれも良かったですね。 なかでは上品さ、清潔さ、知性的な雰囲気を持った鷲尾いさ子が私好みでした。 (たんなるミーハーw)
高橋英樹の色々な地方に転勤しては、その地方の名物料理に舌鼓を打ちながら、 現場を走り回る「捜査検事 近松茂道」シリーズもわりと好きでした。 必ず地元の刑事と一悶着あるのですが、 最後には信頼を得て事件解決するというオメデタイお話(^_^;)
それはさておき、検事が直接現場に出向いて、 被害者に会ったり、事件関係者に会ったりしながら、 刑事と力を合わせ(或いは刑事から反発されながらも) 事件を解決に導くなどということが実際にあるのでしょうか?
答…あり得ない
検事は警察からあがってきた容疑者についての書類を確認しながら容疑者を尋問し、 起訴するかどうかを決定する仕事です。 いわば非常に地味でお堅い公務員。 HEROのキムタクのように型破りな検事は実在しません。 いたら即クビ…ていうか検事にはなれません。 警察に捜査内容を聞くことはあっても、検事自ら捜査はしません。 越権行為です。
数年前、検事が証拠を捏造、 女性官僚があやうく無実の罪を着せられそうになったという事件が現実に起こりました。 また警察官や警察組織の不祥事も次から次へと出てくるわで、 司法の権威や信用は完全に失墜してしまいました。 恐ろしい世の中になったものです。
●当番弁護士とはなんぞや?
火サスに賀来千賀子の「当番弁護士」シリーズてのが昔ありました。 数回観たことがありますが、まあまあ面白かったです。 賀来千賀子は声さえ裏返らなければ好きな女優なのですが…w
それはさておき(2回目w)、当番弁護士制度とはどのようなシステムなのでしょうか。それは弁護士会によるボランティアの弁護士派遣制度で、 容疑者は初回だけ無料で色々と面倒を見てくれるというものだそうです。 みなさん、もし逮捕されたら即、当番弁護士を申請しましょう~w 容疑者の権利です。 接見には警察側は立ち会うことはできません。 ヒミツは守ってくれます。 ま、所詮タダですから多くを期待してはいけません。 賀来千賀子のような熱心な当番弁護士は現実にはいません。 一度だけ本物の当番弁護士(女性)と話す機会がありました。 (決して容疑者としてではないw) 非常に事務的な応対で、弁護士ではなく事務員かと思ってしまいました。 ドラマで見る弁護士のイメージとは程遠い……。
●ドラマで刑事がよくやる定番の動作やセリフをいくつか検証してみます。
①拳銃の片手撃ち
昔のドラマでは片手で拳銃を撃っているシーンがよくありましたが(今もある?)、 現実には片手撃ちで、的に当てるのは不可能です。 引き金を引いた時の衝撃は半端なく、 反動で必ず銃口は上に向いてしまいますので、狙った的には絶対に当たらない。 最近のドラマを見ると、そのあたりの考証は割とできていて、 もう片方の手を添えて両手で撃つシーンをよく見ます。 「ハンチョウ」では安積班長以下、みんな両手撃ちですね。 このことは小学生の頃、父から聞きました。 父は拳銃を所持していたのです。 でも、警察官でも、ヤクザでもありませんw たんなる県庁職員でした。薬剤師の資格を持っていたので、薬務課で麻薬の取り締まりの仕事をしていたんですね。当然、ヤクザとやり合わないといけないので、警察官の権限を持たされていたわけです。警察のシンボルマーク「旭日章」と 「麻薬司法警察」という金箔文字が嫌でも目立つエラソーな警察手帳を持っていました。 刑事と一緒に暴力団事務所の「がさ入れ」などもしていたようです。当時、小学生だった私は、そんなことはまったく知りませんでした。TVドラマで言えば、丹波哲郎主演の「Gメン」といったところでしょうか。余談でしたw
②「国の母ちゃんが泣いてるぞ!」
取調室で容疑者を落とす時に使われる定番のセリフw これは昭和の名刑事と言われた「平塚八兵衛」が 昭和34年に起きた「吉展ちゃん誘拐事件」の犯人「小原保」を落とす時に 本当に言ったセリフらしいです。 平塚八兵衛はさまざまな事件を解決した名刑事で、ドラマ化もされました。 でも、負の遺産も残しました。 取調室が血だらけになるほどの暴力で自白を強要するというやり方を始めたのは彼でした。 その後、それが一般化して、多くの冤罪を生む結果となりました。 一刻も早く取調室の完全可視化が実現することを望みます。
余談ですが(2回目w)、小原保には状況証拠はあったものの、決定的な物証がありませんでした。 いくら脅してもすかしても自供は得られず、なかなか落ちなかったそうです。 落ちたのは、小原保が漏らした不用意な一言からでした。
「電車の中から日暮里で大火事があったのを見た」
小原保のそれまでの供述が正しければ、その火事を見ることは物理的に不可能だった…… アリバイが崩れたのです。 平塚八兵衛は、その一言を聞き逃さなかった。 まるでドラマのような話です。 そして日暮里の大火事の話は、黒澤明監督の映画「天国と地獄」の重要なシーンのヒントになりました。 さらに「踊る大捜査線」劇場版では、そのパロディが収められています。 「踊る…」をはじめて見た時は、思わず笑ってしまいました。 現実がフィクションの大事な部分に影響を与えたという、興味深い話です。
③「カツ丼でも食うか?」
取調べが長引くと食事は出るけど、特にカツ丼が多いわけではないそうですw
④刑事が覚醒剤を押収した時、 ビニール袋を破り、指に粉を付けてペロッと舐め、 「よし、間違いない!」と言う。
これは実際には絶対にやらないそうです。 もし本当にやったら、その刑事は逮捕されますw
⑤拘置所や刑務所で面会に来た身内や弁護士と容疑者が感動的な話をしている時、 たいてい刑務官(立会人)は部屋の中に居ない。
実際には必ず刑務官が容疑者の横に張り付いています。 やばい話はできませんw
まだまだ色々ありそうですが、思い出した時にまた……(^.^)