とある町のとあるチームでサッカーをしている小学生がいました。彼のポジションはゴールキーパーです。
ある日の練習試合、彼はコーチにフォワードで出場するように言われました。いつもはゴールキーパーですから、真逆のポジションになります。
しかし、彼は笑いながら「無理だよ」と言いました。不安から上手くいかなかった時の保険をかけるために発してしまったのでしょう。
その瞬間、コーチが「じゃあお前試合出なくていいわ」と。
また、試合には彼の親が来ており、その一部始終も見ていたそうで、帰宅してからこのように言われました。
「どうしてあんな態度をとったんだ。せっかくコーチがフォワードとして出るチャンスを与えてくれたのに。それを踏みにじったんだぞ。ましてや笑いながらだ。謝ってこい。」
彼はここでようやく事の重大さに気づき、コーチの家を訪れ、そして「せっかくチャンスをくれたのにあんなこと言ってごめんなさい」と謝りました。
申し遅れました。同志社大学スポーツ健康科学部3回生の権田太郎です。
僕が将来について考えていた際、自分が掲げた目標を達成するにはあまり時間が無いことに気づいたのですが、その最中に、以前から親に言われ続けている言葉を思い出しました。
「運はいつやって来るか分からない。だけど、いざそいつが来たら絶対に掴めるように常に構えとけ。」
もちろん、実力で目標達成できることがなによりですが、その実力ですら運に左右されることがあり、むしろ、実力を発揮するきっかけが運によってもたらされることの方が多いと思います。なので、僕も目標を達成するためには運を掴む必要があるのではないかと考えました。
では、運を掴むためにどのようにすればよいのか。とはいえ、僕が運を掴めた訳ではありません。今のサッカー部での立ち位置が何よりの証拠です。つまり、ここから先は僕の仮説にすぎないので、一緒に考えながら読んでください。
いつ来るか分からない運を逃さず掴むためには「準備をする」必要があります。例えば、試合のアップでメンバーがケガをした際に、メンバー外でもユニフォームを持ってきていれば、メンバーに入ることができるかもしれません。それも見越して日頃から体のケアなどをしていれば、試合に出て活躍できるかもしれません。何よりそのような準備が単純に実力へつながるとも思います。運が来るだけでは意味がありません。掴むことができて初めて目標達成につながるのではないでしょうか。しかし、どんなに準備をしていても運を掴めるかどうかは、運の数によって決まってしまいます。つまり、準備をすることはあくまで一発で運を仕留める確率を上げるにすぎません。
それなら、そもそもの運の数を増やすこともできれば、運を掴める可能性がさらに高くなり、そのためには「点と線の考え方」を持つことが大切ではないかと考えました。いくつか例を挙げると、昔の戦争における戦い方をビジネスに転用して大きな利益を得ることができた企業を紹介する書籍が多いですが、この場合、戦争という点とビジネスという点を線でつなげたと考えることができます。他にも、某YouTuberのワインにまつわる動画を見た際、僕が考えるワイン、世界史の中で捉えるワイン、様々な国から捉えるワインがどのように異なるかを学びましたが、歴史という線を通して文化や宗教など国ごとに異なる前提を理解することで、ワインという点の見方が変わりました。反対に彼の話であれば、フォワードでプレーすることにより、いつもと違う景色からゴールキーパーに活かせる発見があるかもしれないのに、そのつながりに気づけなかったと考えることができます。日常的に様々な考え方や価値観に触れながら、それらを結び付けたり、角度を変えて捉えたりする習慣を身につけることで、自分の目標達成にとって一見関係が無いように見える出来事と出会った時に、それを運と見なせるようになるのではないでしょうか。
さらに、「リスクを冒す」ことも必要です。せっかく準備をしていても、せっかく運に気づけても、石橋を叩いて壊して渡れなかったら意味がありません。彼の話であれば、不安という精神的なリスクを冒すことが必要でした。
このように考えると、大学生活は運に溢れた貴重な時間だと思いませんか?自由に様々なことを学べる4年間、点と線のアンテナを張って過ごすことで、ふとした気付きから運がやってくるかもしれませんし、それを掴む準備や少しだけリスクを冒した行動ができれば、想像もしていなかった将来に繋がるかもしれません。このブログが僕と同じように将来について考えている人やこれから大学生になる人にとって大学生活の過ごし方を考えるきっかけになればいいなと思います。
小学生の彼もフォワードで出場していれば、レバンドフスキのようなストライカーとしての力が開花したかもしれませんし、その経験を通してノイアーのような守護神になれたかもしれません。
運はいつやってくるか、どこにあるのか、生かすも殺すも自分次第です。
そして最後になりますが、同志社大学体育会サッカー部の応援をよろしくお願いします。
自戒の念も込めて部員ブログとさせて頂きました。
ありがとうございました。