今回部員ブログを担当するのは、社会学部4回生の高森大夢です。「人生の節目」とも言えるこのタイミングに部員ブログを書く機会を与えて下さったことに感謝し、普段とは違って真面目な顔をしながらも、自分らしくサッカーに手紙を綴ってみました。時間の許す限りお付き合い下さい。


サッカー様


拝啓


いつも大変お世話になっております。先日もセンタリングを上げた際に、良い感じでFWの所へ飛んで行って下さって助かりました。ありがとうございました。


さて、本題です。明日は関西リーグ最終節であり、4回生にとって学生最後の試合、そして僕にとっては17年間続けてきたサッカーの引退の日となりました。とうとうお別れの時が来てしまいましたね。あなたと過ごした17年間を振り返ると、色んなことがありました。


あなたと出会った幼稚園、小学校の頃は試合に負けた記憶がほとんどなく、楽しかった記憶ばかりです。トレセンにもずんずん進んで行けたことで僕も、両親も本気でバロンドールを獲れると思っていました(笑)

中高の6年間は親元を離れ、厳しい指導を受けるなかで初めての「挫折」を味わいました。世代別日本代表やクラブユース全国3位などを経験した一方で、試合に出れない時期や度重なる大怪我を経験し、寮の誰にも見つからないところでよく涙を流しました。

そして大学での4年間。入学してからここまでずっとAチームで試合に出たり、出なかったり。関西1部にいたり、2部にいたり。笑ったり、泣いたり、喜んだり、怒ったり。と感情の波が次から次へと押し寄せ、何度も飲み込まれそうになりましたが、その全てを逞しく乗り越えてきました。


こうして振り返ってみると、あなたには謝らなければならないこと、感謝しなければならないことが沢山見つかりました。


おもちゃの右足では乱雑に扱って、すみませんでした。攻撃の時は「来い来い」って言うくせに、守備の時は「ほんまにこっち来んな」って思ってすみませんでした。試合に出れなかったときに「おい、監督!なんで俺を出さへんねん!」って、八つ当たりキックしてすみませんでした。知り合いがプロの世界や大学リーグで活躍する姿を見る度に「俺は何しとんやろ。」って劣等感を抱きながら、やさぐれキックしてすみませんでした。

本当に反省しています。


次に、全国、そして世界各地にいる沢山の方々に引き会わせてくれてありがとうございました。あなたを通じて出会った仲間と協力し、何かを成し遂げた時に味わった達成感と感動は僕の財産です。

僕に熱く、美しい涙を流させてくれて、ありがとうございました。映画やドラマを観て流す涙より、試合前日に送られてきた激励のLINEを見て流した嬉し涙や、同期たちの引退試合を観て流した感動の涙、選手入場で会場に響き渡る応援団の声を聞きながら堪えた涙は本当に熱く、透き通っていました。

努力することの大切さ、勝負の世界の厳しさを教えてくれて、ありがとうございました。努力が報われて試合に出て、活躍できたこともありました。しかし、「努力が全て報われる訳ではない」という勝負の厳しさを教えてくれたからこそ、自分の「本気」を知ることができました。

17年間朝起きてから夜寝るまで、ひたすら僕に「目標」と、それを追う「活力」を与えてくれて、ありがとうございました。練習はもちろん、ご飯を食べるのも、寝るのも、リフレッシュするのも「全てはあなたのため」でした。今はあなたを失ってからの生活がどうなるのか不安なぐらいです。

本当に感謝しています。


僕は優しい両親に見守られながら、あなたと一緒に成長してきました。あなたがいなければ、今の僕はありません。あなたは僕の全てでした。あなたと過ごした17年間は決して忘れることのできない、僕の誇りです。僕は本当にあなたが大好きでした。あなたから貰った数え切れないものを背負って、僕はこれから新たな人生を歩んで行きたいと思います。

本当に本当にありがとうございました。


それでは、あなたと、あなたと巡り会わせくれた両親のために、ラスト1日。ラスト1試合。限られた時間ですが、思う存分楽しませてもらいます!!!


                                                         敬具           


ps 将来、息子にもサッカーをしてもらいたいと思っていますし、娘には本気でサッカーに取り組む彼氏を作ってもらいたいと思います(笑)その時はまたよろしくお願いしますね!


同志社大学体育会サッカー部

4回生高森大夢


私事を長々と失礼しました。サッカーさんの住所が分からないため、皆さんのリツイートで拡散して頂き、いつか読んでもらえることを願っています。