公園の日仏事情 | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

今回フランスに旅行で行き、改めて感じたのが街中の公園の違いです。

日本の公園は規模はそれぞれですが、
あまり大人がゆっくりくつろげる空間ではなく、
どこにいってもサビれた印象を受けます。

それに対し、フランス、とりわけパリの公園は徹底的に管理がされており、
まず、どの公園も24時間オープンではなく、夜になると閉門されます。

閉門といっても柵は、低いものが多いので、またげば簡単に入れてしまうのですが、
それでも夜間は立ち入り禁止です。

自分もかつて、卓球台がある公園がリュクサンブールの近くにあり、
閉門後にも関わらず、友達と柵を越えて卓球を楽しんでいたら、
巡回中の警察を遭遇し、気まずい雰囲気だったのを覚えています。


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(実際に自分も通っていた公園の卓球台)
 
日本の公園事情については詳しくないですが、
おそらく管理は各役所、地方自治体で営まれているのだと思われ、
箱モノというわけではありませんが、作りっぱなしで、
遊具が故障でもしない限り、さほど管理にお金をかけていない印象があります。

この公園の管理費も日仏で全然異なると思いますが、
それだけではなく、根本的な公園の構造も異なります。

今回のフランス訪問で強く感じたのは、
フランスにとって公園とは、宮廷文化の一つであり、
建物を奥、中心にし、その庭として庭園、公園があります。

 


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(リュクサンブール公園の上院)

フランスであれば、そこで確立された庭園技術、文化が、
一般の公園にも適用、応用され、非常に狭い公園であっても、
十分大人がゆったりくつろげる空間、雰囲気があります。

 


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(リュクサンブール公園の噴水)

日本も京都を中心に、寺に付属する庭園はありますが、
それらと一般の公園はまったく別物です。

日本でいう公園は、もともと空き地的なイメージで、
自由に遊べる空間を国が確保していたの思い、
高度経済成長期、および昭和は、それでも良かったと思いますが、
現在の公園のあり方は明らかに時代にマッチしておらず、
最近にいたっては、建物内で喫煙スペースが少なくなったためか、
公園でサラリーマンがたむろして、タバコを吸っている光景すら見られます。

なにかと閉塞感があり、ゆとりが感じられない日本ですが、
本来、都市空間における公園の役割は大きいはずです。

シムシティでも公園を設置しないと、どんどん治安が悪化しますし。

ちなみに、フランスが公園を夜間、閉門している一番の理由は、
ホームレス対策で、パリは失業率が高く、路上生活者も多いため、
ホームレスが公園に住みつかないよう、また、
一般市民が安心して使えるよう配慮されています。

自分が仮に行政改革するとしたら、
公園の管理予算を確保し、普通の人が気軽にゆったりできる空間を
提供できるようにしていきたいと思うのでした。。