昨日(8月9日)、こんなニュースが飛び込んできました。
[アップルの驚くべき新製品は自転車? アップルが申請した特許で明らかに]
http://www.gizmodo.jp/2010/08/post_7447.html
単純にいえば、 ランニングシューズの中にセンサーを入れデータをiPodに集計する
「Nike+iPod」の自転車版。
こちらが公式発表したページになっています。(英語)
[Apple Introduces us to the Smart Bike]
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2010/08/apple-introduces-us-to-the-smart-bike.html
いわれてみればあってもよさそうな感じでしたが、
おそらくロードレース界に大きな革命を呼び起こしそうな気がします。
システム上の原理は同じでも、
ランニングと自転車(とりわけロード)は、いくつかの点で大きく異なります。
プロの世界で考えますが、ランニング(マラソン)は、個人競技なのに対し、
ロードレースは、完全な団体競技で、チームごとにエース、アシスト等役割が決まっており、
必ずレースごとに綿密な戦術を立てます。
ランニングにおいては、いまだアナログ的要素が強く、
心拍計(ハートレイトモニター)を使用する選手は限られていますが、
ロードの世界においては、究極的にデジタルで、
必ず心拍計を使用して、練習やレースに参加し、
自転車に装着されているサイクルコンピュータは、
価格によって機能が異なりますが、次のような計測が可能になります。
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・速度
-平均速度、最高速度
-速度が平均速度を上回っている/下回っているの表示。
・走行距離
・積算走行距離
・時計
・ストップウオッチ
・ラップタイマー
-ラップごとの平均速度等の統計値
・走行時間
・気温
・傾斜
・高度
・ケイデンス
-平均ケイデンス、最高ケイデンス。
-ケイデンスが平均ケイデンスを上回っている/下回っているの表示。
・心拍数
-平均心拍数、最高心拍数、最大心拍数(HRmax)に対する比。
-目標心拍数にあった時間
・消費カロリー
・GPS(一部)
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プロのロードレースの場合、各選手はサポートカーにいる監督と
連絡を取るため、無線を別途、身体に装着しながら走行しています。
これだけいろんな機能があるサイクルコンピューターですが、
基本的には通信機能がないため、単体で存在しており、
サイクルコンピューター内にデータは蓄積されますが、PCに移管することはできますが、
それらを共有、ましてやリアルタイムで共有することなど、到底不可能なのが現状です。
その外部通信についてそのまま転載します。
(図表は原文を参照ください)
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2010/08/apple-introduces-us-to-the-smart-bike.html
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Share Options for Teams
Apple's patent FIG. 8 is a schematic view of an illustrative
display for selecting cyclists with which
to share riding characteristics.
The user could access display 800 using
any suitable approach, including for example
by selecting a Share option.
The display could include several selectable options
for selecting other cyclists to form a team with the user.
For example, display 800 could include Discover option 802.
In response to receiving a user selection of the Discover option,
the electronic device could monitor incoming communications
for identifiers associated with other cyclists.
To further enhance each group's ability to ride together,
the electronic device could allow cyclists within the group
to transmit and receive communications and to communicate
with other people outside of the cycling group
(e.g., friends or family at home).
Each electronic device could be operative
to perform any suitable type of communications operation,
including for example text or visual messages
(e.g., e-mail and SMS communications),
audio messages (e.g., telephone communications),
and combinations of these (e.g., video conferencing).
Using these communications mechanisms,
different riders in a group can more easily
coordinate cycling strategies, for example
in a race or team context.
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要約すると、チームにおいて、選手同士でも乗りながら、
データ共有をすることが出来、しかも、その場にいる選手のみならず、
家にいる家族や友達とも共有でき、テキストメッセージや、
電話、ビデオ通信も可能であるとのこと。
これはまさしく、自転車革命、ロードレース革命です。
一般レベルでいえば、「Nike+iPod」によって、
ランニングブームが加速し、それまで個々であったものが、
インタネット上、SNSのような形でひとと共有することができ、
走ることにより、人とのつながりが強くなり、
また、自身のデータを管理する上でも、一昔前であれば、
走行距離もわからず、概算をノートに記載していたのが、
接続すれば、自動的に算出してくれるようになっています。
同様に、自転車においても、個人におけるデータ管理は容易になるでしょうし、
ネット上における自転車SNSサイトみたいなので、
人とデータを共有し、ゲーム的要素も交えながら、多くの人とつながり、
仲間が増え、自転車(ロード)ブームを加速させるでしょう。
また、プロのロードレースにおいては、
いままでどこにどの選手がいるかは、目視でしか把握できておらず、
落車して突然、集団からいなくなっているというケースはしばしありますが、
それらもなくなり、監督やチームメイト同士が、
無線なしにリアルタイムで個々のデータを共有できるため、
きわめて高度な戦術をレース展開されることが期待されます。
ただ、一般人が使用するものとプロが使用するものは、
別々である必要があり、プロ仕様であれば、カメラ機能は不要ですし、
コンパクトで軽いものが要求されます。
ランニング関しては、もとからiPodで音楽を聴きながら走るというのがあったため、
「Nike+iPod」に関しては、さほど驚きませんでしたが、
今回のスマート自転車に関しては、バイクパーツの中に「Apple」の文字が加わることは、
いままでロードに携わったことのある人にとっては、想像できないことです。
スマート自転車を搭載したツール・ド・フランス、
はやく見てみたいものです。。