本多静六式・貯蓄法「私の財産告白」 | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

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Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

みなさんは、本多静六氏をご存知でしょうか?
 
明治時代を中心に生きた林学者。
 
刻苦勉励に猛勉強を重ね、ドイツで学位を取得し、
帰国後も大学教授という立場にありながら、
勤倹貯蓄を処世訓とし、資産家として巨万の富を築きました。
 
その貯蓄法が有名な「四分の一天引き貯金」です。
 
彼は、ドイツ留学でのルヨ・ブレンターノ教授の教えから、
自身の貧窮というは、自然解決するものではなく、
こっちからやっつけねばならないという説のもと、
教授になり、多くの子供を抱えているにも関わらず、
まず、給料の4分の1を別にして貯蓄し、
残りの4分の3で、生活をするというものです。
 
興味深いのが、この「四分の一天引き貯金」について、
経済評論家である勝間和代氏が、非常に勉強し、研究し、
参考にしていたといい、彼女自身、実践してみて、
4分の1というのがハードルが高く、
彼女は「5分の1」つまり、2割が妥当だとして提案しています。
 
そこで一部、本多静六『私の財産告白』から文章を
引用します。
 
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「こういった同勢九人を抱えての私は、これではいつまでたっても
貧乏から脱けられない、貧乏を征服するには、まず貧乏をこちらから
進んでやっつけなければならぬと考えた。
 
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、
自発的、積極的に勤倹貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒するのでならぬと考えた。
 
そこで断然決意して実行に移ったのが、本多式「四分の一天引き貯金法」である。
 
苦しい苦しいで普通の生活をつづけて、それでもいくらか残ったら・・・と望みをかけていては、
金輪際余裕の出てこようはずはない。貧乏脱出にそんな手温いことではとうてい駄目である。
 
いくらでもいい、収入があったとき、容赦なくまずその四分の一を天引きにして貯金してしまう。
 
そうして、その余の四分の三で、いっそう苦しい生活を覚悟の上で押し通すことである。
 
これにはもちろん、大いなる決心と勇気が必要である。
  
しかも、それをあえで私は実行したのである。
  
すなわち、一ヶ月五十八円の月給袋から、いきなり四分の一の十四円五十鏡也を
引き抜いて貯金してしまう。
 
そうして、その残りの四十三円五十鏡で一家九人の生活をつづけることにしたのである。
 
この一カ月十四円五十銭の天引きが、のちに数百円(実質何千万円) の資産を積む
第一歩となったのだから、われながら大いに驚く次第である。
 
(P22-23)
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どうですか? こんな意気込みのいい貯蓄法は、
なかなか珍しいのではないでしょうか。
 
この「私の財産告白」には、正攻法の財テクなども紹介されており、
一生だれもが付き合い、苦労するお金を考える上で、
非常に参考になります。
 
勝間和代氏推薦・本多静六「私の財産告白」、
ご一読されてみてはいかがでしょうか。
 

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