ランナーズ・ブルー。
こんな言葉を自分は、探していたのかもしれません。
作家・村上春樹は、ランナー歴20年以上。
ウルトラマラソン(100キロ)や、
トライアスロンにも出場、完走しています。
彼にとってランニングは、数々の習慣の中で最も有益で、
大事な意味を持つ。
作家になる前は、ジャズクラブを経営し、
それなりに軌道に乗っていました。
小説を書こうと思ったのは、1978年4月1日、
午後1時頃、神宮球場でヤクルト戦を観ていて、
そのとき空から何かが静かに舞い降りてきて、
それをたしかに受け取ったのです。
当時、彼は29歳。
軽い気持ちで投稿した作品が受賞され、店をゆずって、執筆に専念。
彼の文章は、漢字が少なくてひらがなが多く、
センテンスも短く、英語に近く、海外でも人気があるのも、
翻訳しやすさもあるでしょう。
彼のトレーニング写真が掲載されていますが、
ごくふつうのサラリーマン顔(?)
人気作家によるランニング、トライアスロン論。
彼の作品は、ずっと読まずにいましたが、
マラソン、トライアスロンという共通項を見いだすにいたりました。
単に村上春樹読者ではなく、
もっと、スポーツ愛好者が読むべき本。
スポーツ愛好者やアスリートというのは、
レースやトレーニングを通して、いろんな感情を抱くのですが、
それを他人に伝えるのが難しく、欲求不満になっていることが多いのです。
ランナーズ・ブルーを、いまだに引きずっている自分がいるのでした。
- 走ることについて語るときに僕の語ること/村上 春樹
- ¥1,500
- Amazon.co.jp