リュック・ベッソン監督「グラン・ブルー」
世界中で900万人もの観客を動員し、
読者でも見られた方も多いと思いますし、
自分もその映画に、魅了された一人でした。
それから、ジャック・マイヨールという人物について、
もう少し詳しく知ろうと、
兄ピエール・マイヨール著「ジャック・マイヨール」を
読むと、映画とは違う人物像が描かれていました。
余談ですが、自分は、監督のリュック・ベッソン本人に、
一度会ったことがあり、「ミシェル・ヴァイヨン
」という
彼がプロデュースした作品の試写会が渋谷であり、
ワールドプレミアを兼ねていたこともあり、
恰幅がよく、ひげもじゃの彼が、舞台挨拶をしていました。
映画好きな人ならわかると思いますが、
リュック・ベッソン本人に会える機会は、
そうあるものではなく、かなりラッキーでした。
また、映画のロケ地となった、シチリアのタオルミーナですが、
これまた偶然、行ったことがあり、
絵を描く関係で、先生に同行してパレルモから始まり、
シチリア各地をめぐる中で、タオルミーナも訪れました。
タオルミーナは、古代ギリシャ劇場が有名で、
エトナ山を背景に絵を描き、タオルミーナ駅も、
深夜に45分遅れ待ちをくらった思い出深い駅です。
さて、映画でのジャック・マイヨールは、
無口で、物静かで、謙虚で、女性に対しては臆病と
いえるほどの恥ずかしがり屋。
実際は、自分の欲望に忠実で、はっきり物を言い、
積極的で、自慢好きで、女性好きで、自己中心的でありました。
また、世界記録更新、ペルー高地での実験潜水は、
事実にもとづいています。
しかしながら、映画が制作され、世界的有名になりましたが、
その反面、実像と虚像のギャップに悩み、人間不信に陥り、
日々、孤独感を募らせていったといいます。
そして、彼は天井から首を吊るという、
衝撃的な最期を迎えます。
「ホモ・デルフィナス(イルカ人間=人間の両棲性)」という
概念を追求し、彼自身、閉息潜水能力を開発することにより、
世界記録を達成しました。
自分自身、水深30mではありますが、スキューバで潜り、
彼が記録で達成した水深100m付近の世界は、
肉体的にも死に近く、隔世であったと思います。
イルカと話し、コミュニケーションのできる彼は、
人間社会の中では、一層孤独だったのかもしれません。
時間のある方は、もう一つのグラン・ブルー、
「ジャック・マイヨール」をどうぞ。
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