セミナーの冒頭は、講師紹介で、
デュボワ自身が作ったパワーポイントのスライドですが、
これが、通常の日本人のプレゼンでは、ありえないような、
1文字で画面一杯になるほど、フォントが大きかったり、
文字の空間を使い分けたりで、
それは、デュボワのフランス人として、
また、音楽家としての感性にもとづく、オリジナリティのある
スライドでした。
彼自身の経歴として、フランス生まれで、
プロのマリンバ奏者、作曲家であり、
98年に慶應義塾大学に、音楽の講師として招聘され、
音楽の講師をやっていると同時に、
学生から多くのキャリア、進路、就職活動のあり方等を相談され、
それを具体的に体系化して、2002年から、
大学でキャリアデザインに関する授業を持つようになり、
いまは、(株)D-Project
にて、企業や個人向けに、
セミナーを行っていて、これもその体験版なのです。
2のフィジカルエクササイズは、40人の中で1人が鬼になり、
鬼が眼をつぶった状態で、声や音、気配を頼りに、
半径5メートルくらいの円の中で、
逃げている40人の誰かをタッチするというゲームです。
逃げる方は、楽で、慣れてしまえば、
鬼が目の前にいても、相手は自分を見えていないわけで、
自分が動かなくても、鬼が勝手に違う方向に、
進んでくれたりします。
ただ、自分も鬼の立場になると、非常に難しく、
自分も一度、鬼になりましたが、
逃げている人との間合いが分からないのです。
自分は他人が鬼をやっているのを見て、
逃げている人の不意をつこうと、
あえて、後ろ向きに歩いてみたり、
横に進んで見たりしたのですが、
それでも、さっぱりタッチできないのです。
場所がサークル上なので、
自分が一方に進めば、逃げている人は、
左右のどちらかに動いているわけなのですが、
頭で理解できていても、スムーズには、
いきません。
これは、自分の感想ですが、
女性は逃げるときに、絶対にタッチされまいと、
ものすごく活発に動き、サークル内を
走り回るのですが、実際は、そこまでする必要はないのです。
考えようによっては、
エネルギーの無駄かもしれません。
むしろ、逃げているはずの自分が、
鬼を追いかけるぐらいの気持ちの方が、
内面的に落ち着きますし、余裕ができます。
これは、おそらく、いろんなことにも
言えることで、物事は逃げると追いかけてきて、
大きくなり、それをさらに、自分の中で増大させてしまいますが、
逆に強気になって、直接向かいあった方が、
案外、大したことなく、あっさり解決できるものなのです。
また、絶対にタッチされまいという気持ちよりも、
タッチされてもいいかまわないぐらいの方が、
物事を楽しめるのです。
これはあくまでゲームですし、
仮に鬼になったからといって、
自分の人生がどうなるわけでもなく、
世間一般のことがらでも、
むしろそれを受け入れてしまい、
それに対し、自分が対応し、消化した方が、
より柔軟に生きれると思います。
ただ、自分が鬼になって、
普段、どれだけ視覚に頼って、
他の五感をおろそかしていたたが、
よく分かりました。
『Blink
』という直感、ファーストインプレッションが
重要であるという内容の本がありますが、
人生においても、言葉ではうまく表現できないけれども、
直感的に怪しい、疑わしいというものを、
避けていく必要があるというのが、このエクササイズの目的であり、
そのためにも、常に感覚をクリアにし、磨いておく必要がある
ということなのです。
しかしながら、ゲーム自体は単純ながら、
意外と多くのことを学ぶことができました。
ちなみにこれ、「マルコ・ポーロ」というゲームみたいです。
いまでも思い返すと自分の頭の中で、
エコーしています。
ポロ、ぽ~ろ、ポーロ、ポロッ!・・・
(次回につづく)
↓デュボワのサイン
「6 sept 2009(2009年9月6日)
Vive la liberte(自由万歳!)」