やっぱりアサッテ君 | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

自分の好きな作家は、何人かいますが、
そのうちの一人が、「東海林さだお」です。
 
彼は、長年にわたり、毎日新聞の4コマ漫画、
「アサッテ君」を連載しており、
2003年に1万回を突破している。
 
その時の特集記事を、自分は切り抜いて
保存してあるが、たしか、ちょうど、
星野監督が、阪神を辞めるときで、
何事も引き際がむずかしい。
 
やっかいな時に、1万回になったものだみたいな、
いかにも風刺にとんだ回であった。
 
実家は、毎日新聞を購読しているが、
アパートで一人暮らしをしている自分にとっては、
さすがに「アサッテ君」を読みたいがために、
毎日新聞を定期購読するわけにもいかず、
最近は、しばらく読まずじまいで、
しごく、残念である。
 
この「アサッテ君」は、時事ネタが中心である。
その時事問題をどう調理するかは、
作家の腕にかかっている。
 
自分はかつて、大学時代、
大学の書庫にこもって、
毎日新聞の圧縮版(バックナンバー)から、
アサッテ君の第1回を探し出し、
順番に、日にちをごとに読んでいった記憶がある。
 
さすがに第1回ともなると、
いまとは描き方が異なっているが、
一人、書庫でひっそりと読んでいるときは、
いま、思い返してみても、至福の時であったと思う。
 
自分もかつて、遊びで4コマ漫画を
描いていたことがあるが、
これが非常にむずかしい。
 
なにが難しいかといえば、
描くのもむずかしいが、
一番は、相手に共感してもらい、
おもしろいと感じさせることである。
 
通常の文章であれば、
ある程度、評価は決めることが可能だと思うが、
4コマとなると、かなり人によって、
意見や評価が異なるのである。
 
また、短いだけに逆に難しい。
 
連載するとなれば、毎回、違うネタを
考えなければならないのである。
 
一度でも、4コマを描いてみると分かるが、
10回分、描くだけでも相当大変である。
 
それを1万回以上も数十年にわたって、
描き続けている東海林さだおに
敬服しているわけなのであります。
 
別に、彼だけが長期4コマの連載をしているわけでは、
ないと思いますが、個人的に、彼の作品、
センスが好きなため、ひいきしています。
 
あの主人公のアメリカ的なヒーローとは、ほど遠く、
軟弱で、せせこましいところが、
妙に共感できてしまうのでした。