...と言う事で。

MAGOです。

 

ありがとうございます。

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何十年も使い込んだ様な傷や汚れをリアルに再現したギター。

それがレリックギターです。

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今日、またちょっとお出かけして楽器屋さんに行ってきました。

 

とある楽器店の高級ギターフロアー。

そこにはフェンダーカスタムショップをはじめ、工房系高級ブランドのギターがずらりと並んでいまして...

 

価格と言ったら、そのほとんどが50万円以上の高級品です。

 

僕には縁のないギターばかりですな。

(^_^;)

 

もはやこのフロアーは、僕にとって美術館。

すべてはアート作品のようなものです。

 

店員さんもさすがにプロです。

すぐに僕を『買えない客』と判断し、声すらかけてきません。

完全にアウェー状態。

 

そりゃそうです。

初めてスカイツリーを見る田舎者みたいな目をしてるんですから。

 

ここはもう開き直りです。

 

さらに目を輝かせながら、顔がギターにくっつくほど近づいて一つ一つ見てやりました。

 

そこであらためて気付いたのですが...

そのほとんどが...

レリック加工されたモデルなんです。

 

ちなみに。

僕はレリックギター を見るのは好きですが、欲しいとはまったく思いません。

同じ価格払うならピカピカが良いです。

( ´艸`)

 

 

 

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こんな傷だらけのギターを見ると思い出します・・・

 

僕らが学生の頃、自分のギターを汚したり傷つけたりしてヴィンテージ風にするのが一時流行ったことです。

 

それこそ僕らはフェンダーカスタムショップよりも早く、レリック加工を行っていたわけです。

(笑)

 

でも、意外とエレキギターって丈夫なんですよね...。

 

塗装だって、ポリ塗装だからそう簡単には剥がれません。

 

しまいには西部劇みたいに、紐にくくりつけて自転車でギターを引きずる奴までいました。

路面をパコンパコンとバウンドしながら転がるギターを見て...

僕らはいったい何を目指しているのだろう・・・

と、我に返ったものです。

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レリックギターとは、言わば懐古趣味の世界です。

 

ダメージ加工されたジーンズを履くように、あくまでも一つのファッションとしてとても人気があるのだと思います。

 

何故、高級ギターにレリックが多いのか?

 

今のエレキギターって、例えばフェンダーの低価格のモデルでもひじょうに質も良く音も良く造られているんですよ。

廉価ブランドのスクワイヤーでさえ良いものがあるくらいですから。

 

そこへきて中クラス、上級モデルともなるともう相当良いわけです。

 

今日もフェンダーUSAのプロフェッショナル2シリーズを試奏させていただきましたが、もうこれ以上求めるものは無いというほど完璧なギターです。

それで税込20万円です。

 

じゃあさらに上をいく50万円あたりのギターに何を求めるのか?

 

高級な木材?

高品位なパーツ?

名工ビルダーに作らせる?

 

確かにそうですが、世の中のごく少数のマニアだけを相手にしていては商売になりませんから、素人でも一目瞭然の何かが欲しいわけです。

 

それが『ヴィンテージ感』なんですよ。

貴重なヴィンテージギターが高価なのは誰でも納得のいく事だと思います。

 

それこそ本物のヴィンテージギターは100万円超えの世界で、それでもマニアにとっては垂涎ものです。

 

ただ、ヴィンテージギターなんて数が知れてますし、そもそも庶民には現実的な価格ではありません。

つまりメーカーにとっては商売になりません。

 

それなら、なんとか頑張って買える価格帯で、ヴィンテージを再現しようってのがレリックギターなんです。

 

50万円くらいなら...

いや、十分高いですけど。

それでもいい大人なら買えない価格ではないです。

社会人一年生でも、なんなら学生でもなんとかローンを組めるという微妙な価格設定です。

 

それで誰もが一目置くヴィンテージなギターが手に入るわけですから。

 

誰が見たって「おおっ!」ってなります。

「やつ、相当のやり手だな」って、もう弾く前から思われます。

 

まあ弾かずとも、美術品的な物でもありますので、リビングに飾ってその風格を見て味わっても良いと思います。

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ただ一つ。

そんな風にレリックギターを楽しめる方は良いのですが...

 

これから購入を考えている人に気をつけたいのが...

やがてそれがフェイクである事に心の片隅でちょっと虚しく思う人もいるかもしれないって事です。

 

厳選された素材で、昔ながらの手工や工程で作られる事には敬意を表せても...

汚れやキズといったものはあくまでも『証』ですから、そこに実際の歴史がなければまったく重みがありません。

 

そこはファッションとして、一つのアート作品として捉えられる人は良いですが...

あくまでも本物志向の気持ちがあれば、レリックギター はどうかな...と思ってしまいます。

 

世の中には「偽物だから嫌い!」って人も多いです。

そこの重圧に翻弄されないような人なら良いと思います。

 

言っても高い買い物ですから。

「50万円も出すなら、20万円のプロフェッショナルが2本買えたな...」なんて後悔をしないようにしたいものです。

 

 

5万円のギターで満足している僕にとっては、到底考えられない世界ですが...。

(^_^;)