数日間、割と寒い日が続きましたが、今日は朝から風もなくほっこりと暖かい日です。お日様も春らしく明るく輝いているように思います。
今日はお雛様を出しました。毎年このころに出すのですが、毎年同じように思うことは、出すときはまだ寒いけど、終うときは何となく空気が暖かくなっているなあということです。
季節の飾り物として、お雛様は心を和ませるものですね。玄関先が、ぽっと春色になったようです。
壁にかけてある日本画は,「能びな」という題がついていて、私の実母がかつて習っていた謡の先生の作品で、松阪市にお住まいだった二井栄逸先生の手によるものです。この先生の日本画はかなり有名で、いつかは志摩観光ホテルの廊下に飾ってあったのも見ました。
二井先生は、もうお亡くなりになっていますが、生まれつき足が不自由で、その親御さんが座ったままでもできる仕事をと、謡と日本画を学ばせたということです。しかし能ができないのは何とも残念だったことでしょう。
さて今日は、寺で暮らす私のちょっとイラっとした話を一つ。
電話がかかってきたので、
「はい、大蓮寺です」と言いました。
「もしもし、○○ですが、住職さんおられますか?」
「今日は出かけております」
「じゃあまたあとでかけなおします」
「もしもし、どんなご用件でしょうか?住職に聞いておきますが」
「法事の申し込みです」
「それでしたら、私がお受けしますが」
「え?そうなんですか」
そのあと、今年あたっている年忌の申し込みがあり、私は年回忌帳で確認して、予定表に書き入れました。
こういう感じで、住職がいないとわかると内容も言わずに電話を切りかかる檀家さんが全体の3割ぐらいいます。その人たちにとって、私は留守番のおばさんか掃除のおばさんらしいです。
私はお経は唱えられないけど、大蓮寺の経理一般をすべてこなしているし、今年の年忌のお知らせはがきを毎年100枚ぐらい書いて出しているし、年度末にはその年の事業報告、会議の事項書などもすべてパソコンで管理して作成しています。
まあ、朝からいらついても仕方ないですね。
お雛様が運んできた春の日を、楽しい気持ちで味わいたいですね。