昨日も今日も、これ以上ないほどのいいお天気で、風もさわやか、行楽日和ですね。
ただ、うちの場合はこの土日も連休もずっと法事の予約が入っているので、二人そろっての外出は出来ません。せめてきれいな花の写真を撮っておこうとカメラ片手に境内をウロウロしました。カメラに収めたどの花も、例年より一週間以上早く咲き出した初夏の花です。
千重(せんえ)おおむらさき という八重咲のツツジです。バラのようです。住職が気に入って、挿し木でいっぱい増やしました。
下草に生えている十二単です。雑草のようによく増えます。
コデマリです。あちこちのお家の庭先によく見かけますね。
オオデマリです。毎年この花を見るたびに、ホワイトチョコか、バニラアイスを連想してしまいます。
鳴子ユリです。ユリとはいっても花はスズランのよう。地下茎でどんどん増えます。
うの花です。ホトトギスと一緒に「夏は来ぬ」の歌に出てきますが、ホトトギスはまだまだ来てくれません。
今日の法事で、喪主さんより一足先に寺にみえた親戚筋の方と本堂でお話する機会がありました。その方のご主人は2年ほど前に84歳で亡くなられましたが、かつて大蓮寺が晋山式をした当時の総代さんでした。寺の会計も持っていただき、大変お世話になった方です。いつも優しい雰囲気で、寺のことを第一に考えてくださる方でした。しかし晋山式のあと、脳梗塞で倒れられ、懸命にリハビリをして、自宅で過ごせるまでに快復、それから二十年、亡くなるまで奥さんと二人で過ごしてみえました。
ひとくちに二十年の介護と言ってもどんなに大変だったかと想像もつきませんが、その方はしみじみと言ってみえました。「時には、この介護が終わったら楽になるのかと思ったこともありましたが、やっぱり人間は二人でいたほうがいいですね。お父さんと呼んで、そこにお父さんがいるのと、誰もいないのとは大違いですよ」
その言葉は、今私が練習している日本歌曲「そこにあなたがいてくださることは」と全く同じことを言っています。その話を聞いて私は思わず目がウルウルしていしまいました。孤独のうちに亡くなる方も多い中、この総代さんは最後まで奥さんに寄り添ってもらい、幸せだったと思います。亡くなる2日前にこの方の御主人は「わしはもうすぐ、どこかに行かんならんかもしれん」と言われたそうです。「どこに行くの?」と聞いてもはっきり言わなかったけど、虫が知らせたのでしょうかねえとも言ってみえました。
春風が時折入り込んでくる本堂の中で、私はお世話になった総代さんの奥さんに遅ればせながらお礼を言えたのがうれしかったです。私が嫁に来てからお世話になった総代さんはもう何人も仏様になられました。月日が経つのは早いものです。この頃、その速さが恐く思うことがあります。身の回りの当たり前にあるものに、いま一度感謝して暮らさないといけませんね。





