11月30日の山形新聞のコラム『気炎』に
天見玲さんが、スコットランド民謡
”ふるさとのナナカマド”について
ユニークな文章を寄せてくださいました。


まだ誰も日本語にしていない
スコットランド民謡の名歌を訳詞して
世に出したのがもう7年前。
CD化が5年前。
その歌が実はノーベル賞作家
カズオ・イシグロさんのお氣に入りの歌でもあり、
イシグロさんご自身が脚本を担当した
英国映画『生きる/LIVING』の中の
最も重要な場面で、主人公に唄わせたのです。
このことは、ボクにとっては奇跡のような
出来事であり、これをきっかけに
この歌の価値に自信をいだき、これをぜひ
合唱化したいと思うようになりました。

たくさんの方々からのご寄付による
「慈悲出版」が実現して、その楽譜を
ボクの長井高校時代の国語の恩師に
お送りしたのでした。

50歳を過ぎるまでボクは、訳詞や作詞を
したことがありません。
専業の音楽家として、まだ誰も唄っていない
名歌をレパートリーにする必要があると思い、
初めて手がけたのが
《広い河の岸辺》の訳詞でした。

《広い河の岸辺》がNHKの
ラジオ、テレビなどのニュースや
ドキュメンタリーを通じて世に出たことで、
ボクはさまざまな批判を受けました。
「The Water Is Wide の訳詞は
 あなたが最初ではない」
「河ではなく海でないのか?」
「メロディのルーツはスコットランドでなく
 イングランドのサマセット州にある」
など........

その批判の悔しさをエネルギー源にして、
明治時代に日本が
スコットランド民謡を輸入して以来
まだ誰も訳詞していない名歌を探し求めて、
できあがったのが
《ふるさとのナナカマド》です。

50歳過ぎて訳詞をすることになったのは、
専業音楽家として生きていくための
精一杯のチャレンジでした。
誰も唄っていない名歌を世に出すには、
100年以上歌い継がれている
著作権切れの外国の名歌を日本語で
唄うのが良いだろう、と思ったから。
自分の「作詞作曲」では、才能があまりにも
足りないことを自覚していたから。

才能がないとか、批判を受けたとか、
そんな悔しさを
プラスのエネルギーに変えていくのです。
歌詞を書く時は一所懸命に考えたことはなく、
その氣になって集中すると、
言葉がどこかから降りてきます。
来ない場合は、夜明け前や
日没後の夕焼け、夕暮れの空や雲を
見ながら、言葉が来るのを待ちます。
あるいは散歩しながら木々や雲を見上げて
言葉が来るのを待ちます。
「いい歌だ♪」という
感動が素になっていますから、その
感動と自然の光や風が混じり合って
言葉が降りて来るのです。
そういうことを受信できる心の素を
培ってくれたのは、
ふるさとにおける小中高校時代の
国語の授業だったのではないか.....と
思うようになりました。
教育とは、必ずしもすぐに
結果が出るものではないのだろう。
授業だけでなく、すべての体験が
今の自分をつくっているのです。
それを日本語で表現しようとしたときに

昔の授業で培った心が

働き出すのかもしれません。


自分の時間軸を自分で振り返ったとき、
何十年も前の出来事も、ついさっきの出来事も
重なって「見えて」きます。
時を超えていろんなことが
重なって「見えて」くるのです。
その時間軸は、自分の心の中だけにある
主観的な空間でもあります。
個性とは、そんなところから
生み出されるのでしょう。

山形新聞のコラムニストのひとり
ペンネーム天見玲さんは、ボクの
長井高校時代の国語の恩師、
錦啓(にしきあきら)先生です。
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同工異曲
ノーベル賞作家カズオ・イシグロが企画し
脚本を書いた英国映画
『生きる/LIVING』が昨年制作された。
これは黒澤明監督の名作
『生きる』(1952年公開)の翻案。
第2次大戦後間もない53年英国が
舞台となっている。
無気力に日々を過ごす
定年間近の公務員が
主人公であるのも共通する。 
主人公が癌になり、
余命いくばくもないことから
生の肯定に向かうストーリーも同工だ。
彼が完成させた公園の
ブランコに揺られながら
歌を歌うシーンもリメイクされている。

先日、長井市出身のケーナ奏者・作詞家の
やぎりんから、スコットランド民謡
『ふるさとのナナカマド』の楽譜が届いた。
添付手紙を読んで驚いた。そこには
奇跡に近い出会いが記されていた。
やぎりんの許しを得てそれを紹介したい。

イシグロ版『生きる』が日本で
公開されたのは今年の3月。黒澤版で
ブランコに揺られながら歌われた歌は
例の『ゴンドラの唄』だった。
イシグロ版ではどんな歌が歌われるのか。
彼はそこに興味を惹かれて早速見に行った。
なんとそこで歌われたのは
『ふるさとのナナカマド』だった。
やぎりんはこの歌を2016年に訳詞して
CD化していた。
イシグロもこの曲が好きだったのである。
《同工異曲》とはまさにこのことだろう。

やぎりんの楽譜解説によれば
ナナカマドはスコットランドでは
生まれた子どもの記念樹として
植えられることが多い。赤い実は
子どもを守ると信じられているのである。
原題はナナカマドそのものだが、
信仰的背景を考慮して
〈ふるさと〉を入れたという。

『ナナカマド』を聴いてみると
『ゴンドラの唄』と違って悲壮感がなく
穏やかで楽観的な感じがした。
黒澤版は、主人公を志村喬が演じたが、
イシグロは笠智衆が演じたらどうなるかを
考えて脚本を書いたと語っている。
(天見玲)

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カズオ・イシグロ脚本の『生きる』の1シーン
主人公が生き甲斐を求めて
歓楽街を飲み歩くところ。
ピアノのあるバーにて.....
最後の、ブランコで唄うシーン



12月17日(日)午後2:00
立川市女性総合センター アイムホール
全席指定¥ 2500


12月20日(水)
年末に因んだ大胆な企画をお届けします。
アイルランド音楽と話芸との共演♪

宮沢賢治さんが、イーハトーヴ童話集
『注文の多い料理店』の原稿を完成させ
序文を書いた日付は
大正12(1923)年12月20日です。

その日からちょうど100年目の
ことし2023年の12月20日に
『注文の多い料理店』を上演します。
物語本編は、笑福亭里光師匠の
上方落語バージョン。
”序”は、河向とーこの読み語り。どちらも
アイルランド音楽の「はめもの」があります。

やぎりんトリオ・ケルティカ
アイリッシュハープ 田中麻里
アイリッシュフルート 八木倫明
ギターとヴォーカル 清永アツヨシ
読み語り 河向貴子(かわむかいとーこ)

◎昼の部ゲスト笑福亭里光(落語)
★夜の部ゲストTommy(歌)

◎昼の部
話芸とアイルランド音楽♪
落語:笑福亭里光(しょうふくていりこう)
読み語り:河向貴子(かわむかいとーこ)
1.アイリッシュ音楽コンサート
20分くらい
2. 宮沢賢治・作『注文の多い料理店』
序文の読み語りと音楽
そして
3. 笑福亭里光師匠による
『注文の多い料理店』
上方落語バージョン

【はめもの(音楽)つき】
****休憩*****
4. 世界で一番有名な社説
『サンタクロースって
 いるんでしょうか』

読み語りとアイルランド音楽
5. トリオ・ケルティカによる出囃子と
落語『芝浜』(上方落語版)
6. 《広い河の岸辺》などの歌

★夜の部
ゲストシンガーにTommyを迎えて♪
Tommyは、
ギタリスト/ヴォーカリストきよちゃん
(清永アツヨシ)の兄。
兄弟の絶妙なハーモニーが楽しめます。

昼夜通し券5500円
昼の部のみ、または夜の部のみ3000円
yagirin88@gmail.com


Roダん落語会 12月22日(金)午後2:00
一橋学園駅北口30秒 喫茶Roダん
昔昔亭桃之助師匠『芝浜』ほか


亀有落語会 12月30日(土)午後2:00
亀有駅南口2分 藍ほーる
昔昔亭桃之助師匠『芝浜』ほか


やぎりん作詞家メジャーデビュー10周年
冬の陣♪
自由の風コンサート
12月27日(水)午後6時
 横浜市・都筑公会堂

2024年
1月13日(土)
日暮里サニーホールコンサートサロン
 ◎昼の部 午後3時
 ★夜の部 午後6時30分

1月28日(日)午後2時
 ウェスタ川越小ホール

2月5日(月)午後2時
 千葉市美浜文化ホール音楽ホール


亀有落語会/読み語り音楽会2024


やぎりん作詞家メジャーデビュー10周年
春の陣♪ 広い河の岸辺コンサート in 熱海
2024年3月2日(日)午後2:00
 熱海・起雲閣 音楽サロン


セントパトリックデイ・コンサート♪2024
3月18日(月)
日暮里サニーホールコンサートサロン
昼の部 午後2:00
夜の部 午後6:30


置賜チャリティコンサート
2024年4月16日(火)
日暮里サニーホールコンサートサロン
昼の部 午後2:00
夜の部 午後6:30


立川 広い河の岸辺コンサート
2024年4月21日(日)
立川市女性総合センターアイムホール

◆ご訪問ありがとうございます。このブログを
訪ねて下さった方々の幸運を祈ります。


大好評♪絶賛出版♪
やぎりん(文)+小澤一雄(絵)
絵本『わくわくオーケストラ楽器物語』
(ポトス出版)¥1800(+税)




天使と悪魔の絶望名歌集
「世界が終わっても音楽と愛が残る」
歌:大前恵子(★印)
演奏:やぎりんカルテート・リベルタ(1〜16)
 高橋泉(チェロ)
 藤枝貴子(アルパ)
 清永アツヨシ(ギター)
 八木倫明(ケーナとナイ)

演奏:やぎりんトリオ・ケルティカ(17〜18)
 田中麻里(アイリッシュハープ)
 清永アツヨシ(ギター)
 高橋泉(チェロ)【ゲスト】
 八木倫明(ケーナとアイリッシュフルート)

読み語り:河向貴子(5と7)

1. ガブリエルのオーボエ
  (E.モリコーネ作曲)
2. 『銀河鉄道の夜』〜白鳥の停車場
  (藤平慎太郎・作曲)
3. ふるさと銀河に還る★
  (E.モリコーネ作曲/やぎりん作詞)
4. あなたの肩を借りたら
 【You Raise Me Up】★
 (B.グラハム作詞/R.ロヴランド作曲/やぎりん訳詞)
5. [読み語り]
  パラグアイの先住民族グアラニーの伝説
6. チョグイ鳥 (パラグアイ民謡)
7. [読み語り]
 ニュージーランドの先住民族マオリの伝説
8. ポカレカレ・アーナ★
 (NZマオリ民謡/やぎりん日本語詞)
9. 鳥の歌 (カタルーニャ民謡)
10. 聖母の御子★ (カタルーニャ民謡)
11. 愛は花、君はその種子★
  (A.マックブルーム作詞作曲/高畑勲・訳詞)
12. アマポーラ (J.M.ラカーリェ作曲)
13. もう一度愛の言葉を[切れた絃]★
  (ロシア民謡/やぎりん訳詞)
14. 鶴★【ウクライナ名歌】
  (R.ガムザートフ作詞/Y.フレンケリ作曲/やぎりん訳詞)
15. ワルツ 切れた絃 (ロシア民謡)
16. 小さなオルゴール (ウニャ・ラモス作曲)
17. 思い出のサリーガーデン★
  (アイルランド民謡/やぎりん訳詞)
18. 広い河の岸辺★
 (スコットランド、イングランド民謡/やぎりん訳詞)
19. ムーン・ダンス (清永アツヨシ作曲)[ギター+ケーナ]

CD番号
LIBERTAD-CD8686 【¥2800+税】
◎お申し込みは、やぎりんへ
yagirin88@gmail.com
税送料込みで¥3000にいたします。
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《ふるさとのナナカマド》入りのアルバム

大前恵子×木星音楽団 セカンド・アルバム
鳥たちの詩、海の詩

1.くじらの子守歌  
 小笠原育美・作曲/相馬邦子・編曲
2.海はふるさと【大海啊故郷】
 王立平・作詞作曲/やぎりん訳詞
3.浜辺の歌
 林古渓・作詞/成田為三・作曲
4.アメイジング・グレイス
 英国賛美歌
5.ロッホ・ローモンド
 スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
6.ふるさとのナナカマド
 スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
7.聖母の御子
 カタルーニャ民謡
8.鳥の歌
 カタルーニャ民謡/やぎりん訳詞
9.つばめよ
 ナルシソ・セラデル・セビージャ作詞作曲/やぎりん訳詞
10.海はふるさと【大海啊故郷】
 王立平・作曲(インストゥルメンタル)
2017年8月25日
東京文化会館小ホールでのライヴ録音
11. 童神(わらびがみ)
 古謝美佐子・作詞/佐原一哉・作曲
12. コンドルは飛んで行く
 ダニエル・アロミーア・ロブレス作曲/やぎりん作詞
歌:大前恵子
演奏:木星音楽団
 小野美穂子【箏:十七絃/十八絃】  
 藤枝貴子【アルパ】
 三塚幸彦【尺八】  
 八木倫明【ケーナとナイ】
ゲスト
金亜軍【揚琴】 
古谷真未【チェロ】
★定価¥2600(+税)
★通販価格¥2800(送料¥180込み)

◎エッセイ『広い河の岸辺』
クローバー必然と偶然が時を得て生み出した、
大いなる奇跡!
この歌は今後50年、
100年と歌い継がれて
日本の歴史に残るでしょう。
湯川れい子

本の表紙
ドキドキ やぎりんBOOK『広い河の岸辺』
(主婦と生活社)!!¥1000+消費税

コンドル合唱譜混声
やぎりん作詞《コンドルは飛んで行く》
やぎりん訳詞《つばめよ》
吉田桂子編曲
合唱譜が出版されました。
女声三部/混声三部の2種類。
それぞれに、易しい二部合唱の楽譜も
収録されています。
¥1300(+税)全音楽譜出版社


合唱譜女声
ドキドキやぎりん監修の合唱譜が発売(全音楽譜出版社)。
小川類・編曲
☆女声三部/二部
★☆混声三部/二部

《広い河の岸辺》(スコットランド民謡)
《思い出のサリーガーデン》(アイルランド民謡)

2曲セット。
定価¥1200(+消費税)


完成した絵本表紙
ドキドキ葉祥明さんの絵本(文:八木倫明)
『ひろいかわのきしべ』(国土社)
発売しました!!


絵本『ひろいかわのきしべ』推薦文の
帯付きは初版のみです。
クミコさんと湯川れい子さんの言葉が
載っています。

ドキドキクミコさん
いま世界にあってほしいと思うものが
この絵本の中にあります。それは
暗い空をてらす、希望の光です。

ドキドキ湯川れい子さん
この歌は、これからの時代に愛され、
その時代を踏み越えて、
未来に継承されていくと信じています。


クミコジャケ写
合唱のスコアもついた
《広い河の岸辺》CD
You Tubeには載っていない合唱バージョンが
このCDには収録されています。
女声合唱団「青い鳥」が素晴らしい演奏をしています。

★エーリッヒ・フロムの愛の論理と音楽