$Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-DQA54020

小平公演で、市川さんというお客様
(声楽家・市川倫子さんのお兄様)に出逢い、
わたしたちのアレンジについて
賛辞をいただいたので、
お客様の心に届く
ケーナルパ・サウンドの本質とは
何なのかを考えてみました。
まず、アレンジとは
二人がどう絡むかということですから、
二人で演奏するときに
どんなパターンがあるのか、
アルパの役割から見た考察です。

1.ケーナを助奏(オブリガート)として
  主役のアルパ
2.やぎりんがパーカッションで参加する
  主役のアルパ
3.ケーナが主役のときの伴奏アルパ
4.ケーナが主役のとき母音唱法(ヴォカリーズ)
  で歌いながらの伴奏アルパ
5.歌が主役のときの伴奏アルパ
6.歌が主役でケーナを助奏にした
  伴奏アルパ
7.ゆかちゃん/やぎりん二人が歌う時の
  伴奏アルパ

以上7通りがあり、1.3.4.6では、
ケーナがナイ(パンフルート)になる
場合もあります。
この11通りの組み合わせが1曲の中で
役割を替えながら進行する場合も
あるわけです。

たった二人で、しかもヘ長調(F-major)と
ニ短調(D-minor)しかないという
制限の中でこのパターンを様々に駆使して
アレンジをしています。
これが直前のブログでちょっと触れた
「1/ f ゆらぎ」音楽の素になっています。


星空1/f ゆらぎ とフラクタル構造星空
 『1/f ゆらぎ扇風機』をご存知ですか? 

自然の風を再現する扇風機のこと。

自然の風は一定の強さでは吹きませんね。

大きな風力の変化がたまに起こる
(時折強い風が吹く)中で、

小さな風力の変化がせわしなく起こる

(そよ風が小刻みに吹く)のが

自然の気持ち良い風。

この風力の変化を波で表わせば、

遠くから見れば大きなウェーヴで、

そばでよく見るとその表面には

小さな波がたくさんあるはずです。

大きな波がゆったりした間隔でやってきて、

小さな波は小刻みにやってきます。

つまり、波の大きさは、

振動数(f)に反比例しているわけです。

これは、波の強さが1/fに比例する
ということだから、
これを
「1/f ゆらぎ」と呼ぶのです。

しかも小さな波の形を拡大してみると、

大きな波と相似形になっているんだそうな…

これをフラクタル構造といいます。

部分と全体が同じ形なのです。


これが自然の風の気持ち良さの秘密ですが、

「1/f ゆらぎ」とフラクタル構造は
風にとどまらず、
例えば、星の瞬きや
木々の枝分かれなど、

人間が自然の中に美しさや心地よさを
感じる時に
無意識に受け入れている
自然の法則なのです。

星の瞬きが一定のテンポで点滅するような
ものだったら、
それほど魅力はなくなります。


あるいは、
太い幹からしだいに枝分かれしていく
樹木の造形美…
これも、
一見でたらめのようで
決してそうではない
法則に支配された美しさというわけです。

多くの人が樹木を愛するのは、

その見事な造形美=フラクタル構造を
無意識に受け入れているからなのでしょう。



この理論を
アルパとギターのデュエット(A)と
アルパとケーナのデュエット(B)とに照らして
考察してみましょう。

(A)の場合、主役と脇役の役割が
一貫して決まっているので、調性的にも
ヘ長調とニ短調しかないアルパ音楽においては、
ある意味、扇風機のように「吹いてくる風」が
予想できてしまいます。
期待通りかもしれませんが、期待以上のことは
起こりにくいのです。

(B)の場合、
アルパ、ヴォーカル、ケーナが三つどもえで、
どの曲でどれが主役になるのか、
予想ができません。1曲の中でも
途中から役割が逆転したり、また戻ったり、
予想できない「風が吹く」ので、
期待を心地よく裏切りながら進行していきます。
ヘ長調とニ短調だけでも、アレンジの工夫で
同じような曲に聞こえることがなく
2時間聴いても飽きません。



虹1/f ゆらぎ はなぜ生まれる?虹
一見でたらめのようで決してそうではない

「1/f ゆらぎ」という性質が
自然界になぜ見られるのでしょう。

これは、自然界のすべてのものが
密接に
かかわりあっていることと
関係があるようです。

理論物理学者・佐治晴夫さんの言葉を
借りれば、

「まわりの影響をうけながらも、
できる限り自由に動こうとする結果、

『1/fゆらぎ』という変動のパターンに
なるのです。
別の見かたをすれば
『1/f ゆらぎ』とは、
偶然性と期待性とが
ほどよく調和した変動だともいえる
わけですから、
それが人に心地よさを
あたえる変動だということも

わかるような気がします。

つまり、偶然性が強すぎると唐突になり、

期待性が強すぎると
退屈になってしまいます」。

(PHP文庫『ゆらぎの不思議』)

クローバーケーナルパ・サウンドに聞こえてくる
平和な地球クローバー
さてこの「1/f ゆらぎ」と
ケーナルパ・サウンドの関係とは・・・。


たった二人であること、
ヘ長調とニ短調しかないという制限は
(A)も(B)も同じです。その制限の中で
それぞれの演奏家がどれほど自在な表現をしながら
同時に調和をめざしているのかが
期待性と意外性がほどよくブレンドした
「1/ f ゆらぎ」音楽へのカギなのでしょう。 

それは例えば、よく知っている音楽が
Duo QuenArpa で聴いたら
思いがけないサウンドや展開で
知らず知らずのうちに惹き込まれ、
心地よく裏切られてしまう音楽です。

アルパとギターのデュエットの場合も、
ときには、
ギターがトレモロで弾く旋律を
アルパが伴奏する・・・なんてことを
やってみると実に面白いのではないでしょうか。

Duo QuenArpaの音楽は、いわば
「異文化融合民族音楽」。
四文字にまとめれば「地球音楽」と
言っても良いと思います。

異文化の楽器や音楽が自己主張
し合いながらも、
つながりを確認し、
支え合いながら、
全体として
調和がとれている
森のような音楽。


民族の伝統に大きく影響を受けながらも、

その中でできる限り自由に
自分たちの感性で表現します。

また、民族楽器という特殊性や非合理性に
大きく制限を受けながらも、

できる限り自在に奏でようとし、

「民族や文化の違い」を超えて調和を
めざすのです。


自分の文化の主張と異文化への敬意とは、
実は表裏一体のものです。
そして民族文化の主張と支え合いは、
地球市民の理想の姿でもあります。
ケーナルパ・サウンドに平和な地球の姿を
イメージして下さる方々が多いのは
そんなわけだと思います。
平和な地球と Duo QuenArpa の音楽も
一種のフラクタルなのです。
 


虹天使に出逢える!?
デュオ・ケーナルパ Xmas コンサート
ドキドキ12月3日(土)7:00
千葉市/美浜文化ホール・音楽ホール

(150席のコンサート専用ホール。音響抜群)
全席指定¥2300

12月21日(水)
晴れ昼の部3:00
三日月夜の部7:00
東京オペラシティ3階 近江楽堂

(120席。カトリックの礼拝堂でもある素晴らしい音響)
全自由席¥2500(前売)

両ホールとも素晴らしい音響効果を誇ります。
天上の音楽に身を委ねている気持ちになりますよドキドキ


!!お申込み
(03)5988-9316プラネット・ワイ
(平日9時~18時)
★メールでのお申し込み
yagrin88@gmail.com


$Duo QuenArpa 公式ブログ(新)-Xmasチラシ

ドキドキ予定曲
♪広い河の岸辺 スコットランド民謡/やぎりん訳詞
♪コンドルは飛んで行く【自由の風求めて】(ペルー)
 D.A.ロブレス/やぎりん作詞
♪めぐり逢い A.ギャニオン
♪アヴェ・マリア P.マスカーニ
♪オー・ホーリー・ナイト A.アダン
♪聖しこの夜 F.グルーバー
♪聖母の御子 カタルーニャ民謡
♪映画『ミッション』~ガブリエルのオーボエ
 E.モリコーネ
♪ラ・サンドゥンガ【聖なるつぐない】 
 メキシコ民謡、オアハカ・ワルツ
♪埴生の宿 H.R.ビショップ
♪想いの届く日(アルゼンチン) C.カルデル
♪白ワイン(ベネズエラ) P.ペドローソ
♪コーヒー・ルンバ(ベネズエラ) J.M.ペローニ
♪ワルツ・ピカピカ(ベネズエラ) 作者不詳
♪君偲ぶ夜(パラグアイ) D.オルティス
♪チョグイ鳥 パラグアイ伝統曲
♪ラ・ゴロンドリーナ【つばめ】(メキシコ) 
 N.S.セビージャ/やぎりん訳詞

『大沢悠里のゆうゆうワイド』出演
録音はこちら。
http://mez.xii.jp/top/20110215_high.mp3