社長と同行二人 H31,1,27
「後継者社長へ、利益と現ナマの違い!」
皆様こんにちは、お元気ですか?
今日は「後継者社長へ、利益と現ナマの違い!」
について私の経験や、セミナー、本、コンサルでの会話、大学でのディスカッションを振り返りなどから、考えを述べさせていただきます。
私はセミナーやクライアント先によく言う言葉があります。
それは「会社は赤字でも潰れない。オカネが無くなったら潰れる」と
まず初めに話すことは、「売上より利益」です。それから「利益より現ナマです」
何故ならば私は現役社長の時、毎期15%くらい売上が上昇して「鼻高々」でした。
銀行にも、仕入れ先にも言いふらしておりました。
本当に「天狗」になっておったのです。
しかし、会社は「火の車」!
毎月の資金繰りで汲々しておりました。
税理士さんに聴いてみると確かに「利益」は出ているのです。
勿論決算上は「黒字」なんですが、月末には資金繰りで苦しむ!
こんな状態が長い間続いたのです。
「利益が出ている」のに何故、お金がないのか?
いわゆる「勘定あって銭足らず」なのか?
さっぱりわかりませんでした。
その当時は教える人もいなくて、遮二無二勉強しました。
最初に勉強したのが「損益計算書」です。
まずは、「売上高」から「売上原価」を引いたのが「売上総利益」です。(色んな呼び方がありますが、ここでは売上総利益としてください)
ここで大きな「罠」が待ち構えているのです。
それは「売上原価」は製造した製品や仕入れた商品のうち、販売で来たものだけが計上されるのです。
そうです、ここが「ミソ」です。
大量に生産しても、仕入れても「売れない場合」は売上原価にならない事です。
確かに少量より大量に生産すれば固定費の割合が低くなるので1個当たりのコストは低下します。
先ほどの「製造原価」は「売れた分」だけなので大量生産すれば「損益計算書上」では利益が出やすくなります。
しかし実際には売れ残る場合が多くあります。
そうすると、今度は「貸借対照表」を見なくてはなりません。
この「貸借対照表」は負債と資産に分かれており、パット見た目で理解が難しい表ですが、少し我慢してください。
先ほどの大量生産して残った商品が、この「貸借対照表」の左側資産の部「流動資産」の最後の方に「棚卸資産(原材料、製品)」と計上してあります。
この部分をよく観察してください。
「損益計算書」上では利益が出ていてもこの「棚卸資産」が増加している、いわば「お金が寝ている」状態に陥っている場合が良く見受けられます。
計算上の利益が、この在庫として眠っている場合があります。
この差が「勘定あっても銭足らず」の一因です。
この「利益」は手に取って実感できるものではありません。
しかし、われわれ社長は「現ナマ」をいつも意識していますよね!
月末決済、給与、家賃、ガス水道代、燃料費、リース代等、現金が必要なんです。
だからこそ、絵に描いた餅の「利益」よりも「現ナマ」に注意を払ってください。
私もセミナーで「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」が分かる方の挙手を求めております。
約7割は「損益計算書」が理解できる社長様ですが「貸借対照表」になると5割に低下します。
後継者社長の皆様、是非とも数字に関心を持ってください。
食わず嫌いになると、自社の存亡に関わります。
また、「貸借対照表」で見て頂きたいのが、左側、資産の部「売掛金」です。
これを正確に把握していないと、先ほどの「利益」に惑わされます。
売掛金が増加すると「現ナマ」は減る傾向です。
お金が「顧客」への債権として変化しているのです。
出来れば4半期ごとに、自社の「売掛金」「在庫」の変化を把握したいものです。
この2つが増加していれば、売り上げが増加しても手元に残る「現ナマ」は減少しがちです。
先ほど書きましてように「会社は赤字でも潰れない。オカネが無くなったら潰れる」です。
優れた経営者は、すべからず数字のプロフェッショナルです。
後継者社長の皆様が税理士や公認会計士なみの知識を持つ必要はありません。また仕分けの「借方」「貸方」を完全に理解している必要もありません。
私がセミナーでもお話している経理の20%の知識を持って頂き、根本さえ理解して頂けるだけで「黒字倒産」は防げます。
そのお話しているものは私が20年の社長業の内15年くらい使って、社長のみならず社員にも理解できた「簡易キャッシュフロー」です。
これは難しい「キャッシュフロー計算書」、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、とは違い数字をブロックで表す仕組みです。
現在もクライアントの試算表から3期分を抽出して提供しております。数字だと「食わず嫌い」の社長様でも、色付けしたブロック図ならば、理解が容易です。
ご興味のある方は、一度ご連絡くださいね!
くれぐれも「利益」という言葉に惑わされずに「現ナマ」を意識してくださいね!
今日もお読み頂きありがとうございました。
また来週もよろしくお願い致します。