監督:バンクシー
主演:MBW
シニカルな映画ですねぇ・・・。
バンクシーを撮影した、ドキュメント映画だと思って借りたのですが、バンクシーを撮影した人の事をドキュメントにした映画だったのですね。
んでもって、その撮影した人が・・・。
もともと、「ストリート・アートは、投げ捨てられてナンボ」のライブ性に価値を置いているのが、サザビーなどで高値で取引される事をとても皮肉った映画でした。
んで、内容はそのアートとは全く逆を行く路線で描くところなども、最高にシニカルです。
「アール・ブリュット」と、「アウトサイダー・アート」と同じように考えていると、この「ミスター・ブレイン・ウォッシュ」の様になりかねないという忠告も含まれているようで、私自身への警告の様にも思えた。
描かざるを得ない人たち、作らざるを得ない人たちって実際に居て、だけど美術の教育など受けることができずに、またそれ自体に気付かずに過ごして来てしまった人たちが描いた作品と同列に並べられてしまう作品の真贋をしっかりと伝えていると思った。
アール・ブリュット・ジャポネ展を観に行った時、それが複製のものも在りがっかりした瞬間と同じだ。
一方でPOPアートの世界でも、自分が観て心に響かないものには、関心を持てない。良いとされても、自分が好きかどうか、それだけが私の中の価値だ。
面白く、かわいく、綺麗に見せかけようとして作ったものは、何も伝わってこない・・・。
映画としての紹介だとしたら、お勧めしません。