- 累犯障害者 (新潮文庫)/山本 譲司
- ¥500
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現在のお仕事の関係で、色々な障害についてネットで調べているうちに出会った本。
たまたま、同じ職場の人が持っていたので、借りて読みました。
すごかったです。
何がすごかったかって、日本という国の福祉の杜撰さが犯罪者を産み出してしまっている現実に愕然としてしまったのです。
内容は、もう読んでもらうしかありませんが、こうなる前に何とかしなきゃ・・・。
そんな人たちが沢山いることを知ったし、出所した微犯障害者などに対して持っていたイメージが、どこで付いてしまったのかということを猛省いたしました。
福祉の現場で働きながら、しかしそれでも問題があります。
わたしの職場は、就労支援なので障害の程度がやっぱり就労実績へと結びつきます。
自立支援法になってから、本人の希望とはとても思えないような人が、両親や他の施設からやってきたりします。
もちろん、受け入れることは可能ですが、出口が限定されてしまいます。
以前、ビジネススクールに同業者の役員が来た時に、「自分の会社の利用者は90%は一般企業に就職をしている」と言っていました。
ついて来られる人だけが残り、ついて来られる人だけが一般企業に押し出され、でもJobトレーニングを専任で付けていられる。そんな大手企業なら、どんな障害者でも違った形で受け入れられるのではないのだろうかと思った。
業務請負で仕事を集め、寝たきりの障害者でもできる仕事はないか?
発達障害で、人との関わりを上手にできなくても、職場の環境を整えることで、思わぬ力を発揮してもらえないか?
障害の定義が徐々に変わりつつある。欧米のそれに近い形で、整えられつつある。
作者の山本譲司氏の活動の成果でもあるのかもしれない。
知らなかった世界。自分が病気にならなかったら、知ることのなかった世界を知り、どうしても今は見ぬふりをして以前の生活を取り戻すために一般企業でビジネスをやっていく事に自信を持てない。
何ができるのだろうか?
とりあえず、今は勉強することをしながら、現実の世界に目を据えて、残りの人生をしっかりと自分の役目として全うすることにしよう。
なんて言いつつ、頭のどこかに憑りついている「死神」が囁く・・・。
だから、きっと福祉に目覚めてしまったのかしらネ・・・。