1985/12月号の「広告批評」にダンプが出演したCM「金鳥どんと」の内容が記載されていたので引用します。
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どんと・ソレンコ
古墳時代の日本で、紅たちのご先忠様が「ちゃぶいちゃぶい、どんとぼち」と嘆いておられた第一弾、戦後の焼け野原で復兵員がGIに「どんと・ギブミー」と呼んでいた第二弾と起さ、すっかりおなじみになった"文珍・のりおコンビ"のキンチョーどんと。第三弾は、なんとロシア(らしきところ)が舞台である。
雪のちらつく街角で、うなだれてただ並んでいる人たちの長い行列。これは、かの悪名高い買い物行列ではないか(ちなみに、この時キストラの人たちの衣装は、かきあつめられて並べられた帽子・コート・靴の中から"衣装のほうにカラダを合わせて選ぶという"配給制"だったそうな)。寒さに耐えかねて文句をたれる文珍・のりおのセリフも、「ブルブルビッチ」「ズルズルビッチ」とロシア語ふう。このうるさい二人にカツを入れるのが、あのダンプ松本である。ふりむき地葉「どんとイレンコ!」 どなりつわるアップは、リングのメイクそのままで、寒さをふっとばすトンガラシのような迫力である。
これまでの単純明快な「どんとぽち」「どんと・ギブミー」に比べて、ロシア語ふうなだけ、わかるようでわからない「どんとイレンコ」だが、その分、
1そんなに寒けりゃどんとを入れんかい。
2文句ばっかり言ってると列に入れんぞ。
・・・などなど、いろいろ意味が考えられて楽しい、人をどやしつけたり、しょぼんとしたときモラしたり、使い道にバリエーションがありそうで、今年もちょっとした流行語になりそうだ。しかし毎年、ようやりまんな。
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「金鳥どんと」のCMは桂文珍と西川のりおがシリーズで出演していました。流行語も生み出すCMでした。第三弾ではダンプ松本をスパイス的に登場させてインパクトを残しています。
ロシアの小都市らしい場所で何かの配給待ちの列をなしています。
そこでダンプが叫ぶ「どんとイレンコ!!」は、意味不明な言葉なものの、記載のとおり「どんとを入れろ!」とも取れるし、ぶっ飛ばすぞというようなセリフにも取れます。
流行語には選ばれませんでしたが、コピーライターも面白い言葉を考えたものです。
ちなみに桂文珍は、「笑っていいとも」でダンプをお友達と紹介した人ですので、以前からつながりはあったようですね。